恩人橋田さん訃報に「おしん」演じた小林綾子「人生の幅を大きく広げていただいた」
NHK連続テレビ小説「おしん」やTBS系「渡る世間は鬼ばかり」シリーズなど数々のヒットドラマを手がけた脚本家の橋田壽賀子(はしだ・すがこ、本名・岩崎壽賀子=いわさき・すがこ)さんが4日午前9時13分、急性リンパ腫により静岡県熱海市の自宅で死去したことが5日、明らかになった。95歳だった。「渡鬼」主演女優の泉ピン子(73)にみとられながら息を引き取った。人間の心の機微を独特の長ぜりふで描く「橋田節」で多くの名作を残した。故人の遺志により葬儀・告別式は行わない。 【一覧表でさらに詳しく!】橋田壽賀子さんが手掛けた主なドラマ NHK連続テレビ小説「おしん」で主人公・おしんの少女時代を演じた女優の小林綾子(48)は恩人の訃報に「信じられず、寂しい気持ちでいっぱいです」と追悼した。 10歳で「おしん」に出演し、女優としてのキャリアをスタートさせた小林は「今こうして私がお仕事させていただけているのは、橋田先生のおかげです。先生が『おしん』を書いて下さったおかげで、人生の幅を大きく広げていただききました」と感謝した。 毎年、誕生日会で顔を合わせ、親交は38年。「贈り物をお送りした時などには、美しい達筆な字のお葉書を、楽しい船旅の様子などと共に、毎回丁寧に書いてきて下さいました。どんなときも、温かく見守ってくださるお優しい先生です」と人柄をしのんだ。 ◆「おしん」 山形の貧しい村に生まれたおしんが明治から昭和の激動期に女性経営者として成功するまでを描いた一代記。小林綾子、田中裕子、乙羽信子さんがヒロインの生涯を演じた。83年4月から1年間放送され、平均視聴率52・6%、最高62・9%でビデオリサーチ史上最高を記録。世界86の国と地域で放送され、イラン国営テレビでは視聴率90%を超えた。米ニュース誌が社会現象を「オシンドローム」として発信して「新語・流行語大賞」第1回の金賞となった。
報知新聞社