Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「横田めぐみさんは生きている」北朝鮮の元工作員・金賢姫が明かした拉致被害者の生存情報/聞き手・黒田勝弘――文藝春秋特選記事【全文公開】

配信

文春オンライン
「横田めぐみさんは生きている」北朝鮮の元工作員・金賢姫が明かした拉致被害者の生存情報/聞き手・黒田勝弘――文藝春秋特選記事【全文公開】

現在の金賢姫

金 ご無沙汰しております。今日は、懐かしい写真を2枚持ってきました(と言ってバッグから取り出す)。 黒田 これは懐かしい(写真裏の日付は1990年6月20日)。金さんが事件から3年後、はじめて外国人記者団に向けて記者会見を行った日に撮影された写真ですね。こちらはマイクに向かって喋っている金さん。もう1枚のほうは、人差し指を立てて質問している私が写っていますね。あの日、「あなたは日本語が上手だと聞いているが、次の質問は日本語で答えてほしい」と私が韓国語でお願いすると、金さんは「あのォ」「それでですね」などと、実に自然でこなれた日本語を披露されました。 金 いやあ……そうでしたかねえ。 黒田 あの事件から今年11月がちょうど30年ということで今回はインタビューを御願いしましたが、韓国語、日本語、どちらでやるかを事前にお尋ねしたところ「日本語でやりたい」と言っていただきました。相変らずお上手ですが、今も日本語の勉強はなさっているのですか。 金 いいえ。日本語を聞く機会は普段ありませんから、単語などは結構忘れちゃっていて。勉強というほどではありませんが、日本語の本を読むことはあります。村上春樹さんの小説は好きですね。 黒田 しかし、こうして写真を見ると、金さんは当時、ふっくらとした顔でしたね。それが最近は、お痩せになったように見えます。これまで大変な気苦労やストレスがあったせいではないかと心配です。 金 大丈夫です。私は元々、太りにくい体質なのです。でも、ストレスがなかったと言えば、嘘になるかもしれません。 黒田 30年という歳月は、長かったですか。それとも、あっという間でしたか。 金 本当に長かったです。振り返れば、辛い出来事ばかりでしたから。かつての私は、自分が「革命戦士」だと信じていました。祖国を統一するため、テロの正当性を疑ったことはなかった。しかし、実際は、無辜の人々の命を奪ってしまっただけでした。その事実が消えることは決してありません。あの事件は一生背負っていかなければならない十字架だと思っています。

本文:11,358文字

写真:4

続きをお読みいただくには、記事の購入が必要です。

すでに購入済みの方はログインしてください。

税込330
PayPay残高
T-POINT
使えます
サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください購入した記事は購入履歴で読むことができます。

金 賢姫,黒田 勝弘/文藝春秋 2017年12月号

文春オンラインの有料記事

PayPay残高使えます