モネが愛した庭が高知県にあった…!北川村「モネの庭」の秘密と楽しみ方、家で育てられるおすすめ植物も紹介
ジヴェルニーの庭を表現するために
1年を通して穏やかな気候で、比較的涼しいジヴェルニーの気候と異なり、温暖多湿な北川村。日差しが強く、雨の日も多い地域です。開園当初は植物がなじむまで、無料で開放していた時期もあったそう。 北川村の環境でモネの庭を表現するために模索し、手探りの状態でスタートした開園当初と今では、庭の様子も変化しているのだそうです。 「2002年に庭の責任者として川上裕が入社し、何度もジヴェルニーの庭を訪ねて少しずつ雰囲気をつかんでいきました。現地と環境が違うので、100%同じ植物を使って再現することはできません。 そこで、北川村の土地にあった植物を使いながら、現地の雰囲気に寄せて庭をつくることに。なので、モネの庭を『再現する』というよりは、『表現している』の方がイメージに近いかもしれません。 モネの庭を表現する上で大切にしているのは、背の高さとボリューム感。涼しいジヴェルニーは植物がじっくりと育ち、迫ってくるような重厚感があります。一方で北川村は気温が高く、植物の成長スピードが早い。夏場は大きくなりすぎないよう、切り戻しなどをして手入れしています」(町田さん)
北川村に根付く植物を採用
植物も生き物。環境が合わなければ、枯れてしまいます。北川村では、実際のジヴェルニーの庭やモネが描いた絵画を参考にしながら、この場所で根付く植物でモネが見た景色を表現。 北川村に根付く植物が植えられているため、現地にはない植物も見られるのだとか。再現に固執するのではなく、風景を解釈することで北川村のよさが生きる景色をつくりだしています。 「ここで多用しているのが、延命草という植物。山に生息している山野草で、9月から10月にかけて小さな花を咲かせます。こういった植物を使い、霞がかかったような景色をつくる。そのなかに大きなダリアの花が入るととてもよい雰囲気が出ます。 初夏に咲くラバテラという植物は、ジヴェルニーからいただいたもので、モネが咲かそうとしたブルーの熱帯性睡蓮は、ジヴェルニーだと咲きにくいのです」(町田さん)