立憲・枝野代表が記者会見8月31日(全文1)政治の流れ反転させるきっかけに
長期政権をどう評価するのか
NHK:NHKの佐久間です、よろしくお願いします。安倍政権、7年8カ月という長期政権でしたけれども、この長期政権を野党の立場から、枝野さん自身、どういうふうに評価されているのか。いいところ、悪いところ、どうあったのかということ。また、残された課題はどういうところにあって、それをどのようにして合流新党で問うていきたいのかということが1点です。 それともう1点。今、政治に求められているものとはどういうことになるのか。この安倍政権というのが終わるに当たって、そのお考え、政治に求められているものを教えてください。 3点目です。国民民主党と立憲民主党の新党の結成間近ですけれども、安倍政権も終わるというタイミング、両党合流するというタイミングもあり、今後の政局、政権交代に向けてどう臨んでいくのかということも教えてください。 最後に、この政局にも絡むんですが、解散総選挙、時期、どのように見ているでしょうか。1年後には任期も迫る中で、立憲民主党として、合流新党として、どのように対応していくのか、この4点について教えてください。 枝野:1点目の評価でありますが、個別のことを言えば、時間どれぐらいあっても足りません。大きな構造として、私はバブル崩壊以降の新自由主義を加速させてきたその流れ、それから第2次世界大戦以降の規格大量生産による経済成長路線、明治維新に始まる、いわゆる近代化路線、この3つがタイミングを一にして、それ自体が必然かもしれませんが、なかなか従来の延長線上ではうまくいかなくなっているというのが、ここ10年、15年の日本の置かれている状況だというふうに思っています。あえて申し上げればバブル崩壊以降、それまでの路線がうまくいってないという状況、それの状況をなんとか現状維持するために無理を重ねた7年8カ月だったというふうに受け止めています。
12月25日投票という一番早い場合を想定
無理を重ねた結果として、時代状況に合っていないわけですから、なんとか現状維持の形をつくろうつくろうとしながら、ひずみだけが拡大をしていったというのが、この7年8カ月だったというふうに思っています。そういう意味では、時代状況という意味では、安倍総理の置かれた7年8カ月というのは、政権にとっては気の毒な時期だったというふうに思っています。 課題はまさにその中に生じてきたひずみです。格差と分断、そして貧困。これが国内消費、個人消費の冷え込みというのを定常化させてしまっていて、日本経済と日本社会の活力を大幅に失ってしまっているというのが日本社会の置かれている決定的な課題であるというふうに思っています。 そしてその課題が、特に新型コロナウイルス感染症の影響でより顕在化をしているというのが今の状況であり、今政治に求められているのは、まさにこの格差と貧困、分断を生み出してきた経済運営、あるいは政治・行政の在り方を転換していく、新自由主義的な発想から脱却し、過度な自己責任をあおる社会構造を転換させ、支え合い、分かち合い、そしてそれを支えるための機能する政府をしっかりと取り戻していくということが政治に求められているものだというふうに確信をしておりますし、そのことを力強く訴えていくことを通じて、3つ目の問いである政権交代につなげてまいりたいというふうに思っております。 解散の時期については、解散権は内閣の専権事項であります。学問的解釈論として正しいかどうかは別として、自由裁量で内閣が解散権を行使できるという憲法解釈が定着していますので、解散権を持ってらっしゃる方にお聞きをいただくしかありません。私の立場からは、一番早いケースでの解散に常に備え続けるというのが受けて立つ立場としてやらなければならないことであり、現状では12月25日投票という一番早い場合のケースを想定して準備を進めています。 司会:よろしいですか。じゃあ次の方お願いいたします。