【墓じまいブームの陰に思わぬ落とし穴】親族と揉め、菩提寺と揉め…多額の労力と出費を強いられた人たち 樹木葬では追加請求のトラブルも
要所要所でかかる高額出費
近年、墓石の代わりに桜や紅葉などの樹木や花木を墓碑として建て、周りに遺骨を納める「樹木葬」の人気が高い。ところが、墓じまいで樹木葬を選択して後悔するケースも目立つという。 「樹木葬は岩手県で始まった山に納骨する『里山型』が起源でしたが、近年は都市部でも広まりました。都市部では寺や霊園が墓地の空いた狭いスペースを利用して小さな墓石をずらっと並べるタイプの樹木葬もあります。なかには1区画のスペースが狭すぎて他人の墓を踏まないと自分の墓に辿り着けない墓地もある。 また、樹木葬は安価なイメージですが、家族全員の遺骨を包括して永代供養してもらえる墓地だと1柱増えるごとに10万円といった追加請求をされるケースが散見されます。契約時によく確認しないとトラブルになりやすい」(大橋氏) 知っておきたいのは、墓じまいには多額のお金と労力がかかることだと大橋氏は言う。 「改葬許可申請書や墓石の撤去費、閉眼供養などのお布施、離檀料と墓じまいは要所要所で高額の出費が発生します。 改葬先の供養料などを合わせると、たとえば先祖のお骨5柱、存命者が夫婦2人なら合計250万円程度は必要になることもあります」 リスクと出費を正しく把握した上で、慎重な決断が求められる。 ※週刊ポスト2024年12月6・13日号