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中国メディアが警戒「米中新冷戦の行方を決めるのは『軍事大国・日本』だ」

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クーリエ・ジャポン

米中新冷戦に対する危機感が世界中で高まるなか、中国メディアは「両国の明暗を握るのは日本」と指摘。人知れず防衛費を増額し、最新鋭の軍装備を蓄えてきた日本は、中国に勝るとも劣らない「軍事大国」だと分析する。

標的は北朝鮮から中国へ

2020年4月、安倍晋三首相は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行によって「日本経済は戦後最大の危機に直面している」と述べた。だがそう言いながらも、日本政府はそのほんの数週間前に戦後最高額となる5兆3133億円の防衛予算を可決している。 この予算は、新型超音速対艦ミサイルの開発や、ロッキード・マーティン社製ステルス戦闘機F-35Bの導入などにあてられる予定だ。 日本の防衛費はこれまで主に、北朝鮮の核の脅威に対する自衛のために使われてきた。だが、関係者によれば、2020年度の防衛費の増額は強硬な姿勢に拍車のかかる中国を意識してのことだという。「関心の対象は北朝鮮ではなく、中国です」と、ある日本政府の関係筋が匿名を条件に語った。 コロナによって米中の緊張が高まり、武力衝突の可能性を誰もが懸念しているいま、アジア太平洋の軍事バランスは中国優位に傾くだろうと多くのアナリストが推測している。だが、こうした分析は、日本の軍事力を見落としている。 日本は中国の最新鋭の武器に対抗するために人目を盗んで軍事力を増強しているし、有事の際には同盟国であるアメリカを支援するはずだ。 日本が対中戦略を進めている証拠のひとつが、先にも述べた新型超音速対艦ミサイルの導入だ。「ゲームチェンジャーだ」と自衛隊幹部が胸を張るこのミサイルは複雑な軌道を高速で飛ぶため、既存のミサイル防衛システムでは迎撃が困難だ。東シナ海と南シナ海で活動する中国の空母の脅威になることは間違いない。 運用が始まれば、日本は米ロ中に続いて超音速滑空技術を運用する世界で4番目の国となる。

海上自衛隊は中国軍にも匹敵

2020年度の防衛費は、敵の通信システムを妨害する電波技術の研究といった、宇宙空間の安全強化にもあてられる予定だ。こうした技術によって本土からも離島からも不審者の監視ができるようになれば、日本は中国海軍が黄海から太平洋へ侵入するのを阻止できる。 2018年3月には、水陸両方の作戦能力を備える機動部隊「水陸機動団」が陸上自衛隊内に新設された。また、日本の海上自衛隊は中国をはじめ太平洋で活動する各国軍隊に勝るとも劣らない軍事力を持つと見る評論家もいる。 日本の防衛費がこのまま増加すれば、1947年に施行した「平和憲法」に抵触するかもしれない。戦争の放棄を謳った第2章9条は戦後、日本が再び地域侵略を繰り返さないようにと勝戦国のアメリカが課した条項だ。 日本国憲法は戦力としての軍隊の保持を禁じているが、1954年の創設以来、自衛隊はいまや世界で最強の軍隊のひとつに成長している。スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所によれば、日本の防衛費は世界で9番目に多いのだ。 自衛隊は自衛官を25万人弱も擁し、主にアメリカから調達された最新の兵器・技術を備えている。そのなかには多種多様なミサイルや戦闘機、ヘリコプターに加え、世界最先端技術の潜水艦と国産の戦車なども含まれる。また、米軍と中国軍の基地がある「アフリカの角」ジブチには海上自衛隊の恒久的基地もある。 日本政府は安倍首相の下、毎年防衛費を増額してきた。さらに、2014年には憲法9条の解釈が変更され、同盟国で戦闘が起きた場合には自衛隊が当該国を防衛できるようになった。つまり、これまでの範囲を越えて日本がより積極的に軍事活動に参加する可能性が出てきたのだ。 いまのところ、日本の防衛費は国民総生産(GDP)の1%ていどにとどまっているが、中国が軍事大国として台頭するなか、この予算枠は時代遅れだと見る向きもある。安全保障のタカ派が優勢になれば、すぐに増えるだろう。2019年4月には、平和維持活動や沿岸警備などの安全保障関連費を合算するとすでに防衛費はGDPの1.3%になると、岩屋毅防衛大臣(当時)が言明している。

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