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演者の個性と時代性が強く表れる? 歴代大河ドラマで描かれた帰蝶像

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リアルサウンド

 大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合)は、織田信長(染谷将太)を裏切った悪役として描かれてきた明智光秀(長谷川博己)を主役にすることで、戦国時代を語り直そうとする意欲作だ。 【写真】染谷将太演じる信長の変貌  今川義元(片岡愛之助)を倒した「桶狭間の戦い」以降、放送休止となっている本作だが、前半の見どころは新しい切り口で描かれた信長と、その妻・帰蝶(川口春奈)だろう。  『麒麟がくる』の信長は、歴代大河の中でもっとも不気味な存在だ。演じるのは染谷将太。映画『バクマン。』や連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)で天才を演じた染谷は、それらの作品で演じた不気味な天才像を信長に持ち込んでいる。  染谷・信長は、戦の天才だが母親に愛されなかったことをコンプレックスとして抱えており、やることなすこと不安定。そんな信長に対して帰蝶は母親として振る舞うことで、アンバランスな信長を、裏側から支えるプロデューサー的存在へと変わっていく。  何より面白いのは、信長を見る帰蝶の眼差しだ。  信長の奇行をキモいと思っているが、その感情が顔に出さないよう必死で取り繕う一方で「母性のようなものを感じている」という複雑な表情を、川口は見せる。  そもそも帰蝶とはどんな女性だったのか?  彼女は「美濃の蝮(マムシ)」と呼ばれた斎藤道三の娘で、道三の気質を受け継いだ木の強いお姫様。時代小説や大河ドラマでは濃姫の名で広く知られている。ただ具体的にどういう人だったかというと資料は少なく、明智光秀の従兄弟であることとも光秀の出自自体に不明な点が多いこともあり、真意は定かではない。  晩年に関しても、子宝に恵まれなかったため、道三が亡くなった後で信長と離縁したという説もあれば、信長の死後も生き延びたという説もある。明治時代の浮世絵「本能寺焼討之図」(楊斎延一:作)には、本能寺で薙刀を持って戦う帰蝶の姿が描かれている。しかしこれは後に小説などで描かれた創作である。  つまり、実在したことは確かなのだが、具体的にどういう人だったかは不明な点が多いのだ。そのこともあってか、歴代の大河ドラマに登場した帰蝶には、演者の個性と時代性が強く表れる。

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