2024年、最も売り上げが伸びた日用品は? 「米」は3位
マーケティング・リサーチを行うインテージ(東京都千代田区)は、日用消費財の中で何がより売れたかを、推定販売金額の伸びから振り返る「2024年、売れたものランキング」を発表した。ランキング1位となったのは、前年比153%の「靴クリーナー」だった。 【ランキング結果を見る】「2024年、売れた日用品」1~15位 2位は「パック」(前年比144%)、3位は「米」(同130%)、4位は「トマトジュース」(同125%)、5位は「強心剤」(同118%)だった。 1位の「靴クリーナー」は、特にスニーカー用のシートタイプが6~9月に前年同月の2倍近くに迫った。2位の「パック」は、昨年15位から大きく上昇。大容量の商品などを中心に、韓国コスメの拡大や有名タレントによるブームけん引などもあり、コロナ前を大きく上回る販売金額となった。両商品とも、新型コロナ発生後の2020年からの売れたものランキングで10位以内に入っていたことはなく、新たなトレンドとして躍進した。 3位にランクインした「米」は、2024年に起こった「令和の米騒動」が大きな要因だ。スーパーの棚から米がなくなり、代わりにパックご飯が置かれる店も見られた。米の店頭価格も上昇した結果、10位にもパックご飯を中心とした「米飯類」(同113%)がランクインした。 新米が出回る直前の8月には騒動とともに販売金額もピークとなり、前年同月比で172%まで上昇。店頭の米の商品数の推移をみると、近畿や首都圏などを中心に前年の半分程度まで落ち込み、いまだに以前の価格には戻らない状態が続いている。 米だけでなく、食品を中心に値上げが続いた年でもあり、上位15位までに食品が6商品ほどランクインしている。 6位の「玩具メーカー菓子」(同117%)は、人気テレビアニメやゲームなどの関連商品がけん引。9位の「冷凍水産」(同113%)は、プライベートブランドの伸長が目立った。12位の「キャンディ」(同113%)もグミの好調に加え、感染症予防の観点からのど飴なども売れた。トマトの代替需要もあった4位の「トマトジュース」(同125%)や、無糖や甘さ控えめを訴求するヒット商品などもあり、8位に「炭酸飲料」(同113%)が入った。 インバウンド需要も堅調で、5位の「強心剤」(同118%)、7位の「リップクリーム」(同116%)は訪日客の支持も強く、販売金額を伸ばした。
販売に苦戦した商品は?
今年販売に「苦戦」した商品は何か。1位は「検査薬」(前年比52%)、2位は「マスク」(同75%)、3位は「オートミール」(同79%)と、コロナ禍に大きく販売金額を伸ばしたものが上位にランクインした。 11位の「プロテイン粉末」(同93%)なども同様で、これらはコロナ前の2019年に比べると販売金額は大きく上回っている一方で、生活様式の変化などで販売金額の減少が続いている商品も見られた。 今回の調査は、全国約6000店舗から収集している小売店販売データ、SRI+R(全国小売店パネル調査)をもとに実施した(データは10月分まで使用)。
ITmedia ビジネスオンライン