JAL、事業別経営で4本部新設 コロナ後見据え組織改正
日本航空(JAL/JL、9201)は2月18日、組織改正を4月1日付で実施すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)収束後を見据えたもので、各事業領域の責任体制を明確化した「事業別経営推進体制」を構築する。 新体制では、JAL本体などが運航するFSC(フルサービス航空会社)事業と、100%出資する中長距離国際線LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)などLCC(低コスト航空会社)事業を「路線事業」と再定義。両事業に貨物郵便事業を加えた航空運送以外を、マイレージ・金融事業、物販事業などの事業領域ごとに分ける。 組織としては、現在の路線統括本部と旅客販売統括本部が担っていた機能を再編した上で、新たに路線事業本部と旅客営業本部、カスタマー・エクスペリエンス本部、マイレージ・ライフスタイル事業本部の4本部を設ける。 路線事業本部は、FSC事業とLCC事業の戦略策定や経営管理を担い、路線事業の収支最大化を目指す。旅客営業本部は、レベニューマネジメントなど航空券販売に関わる戦略策定や推進により、収入を最大化する。カスタマー・エクスペリエンス本部は、自社商品やサービスから利用者に伝わるJALブランドの向上に関わる戦略策定や推進を担い、顧客体験価値の最大化を目指す。新たな成長領域を担うマイレージ・ライフスタイル事業本部は、金融や物販などライフスタイル事業の拡大を進める。 また、現在のイノベーション推進本部にグループのデジタル変革推進機能を集約し、組織名をデジタルイノベーション本部に変更。デジタル技術を活用し、新たな顧客価値の創造を目指す。 各本部長には執行役員が就任。路線事業本部長には豊島滝三専務、旅客営業本部長は西尾忠男常務、カスタマー・エクスペリエンス本部長は鈴木啓介氏(現任は経営戦略部部長)、マイレージ・ライフスタイル事業本部長は大森康史氏(事業創造戦略部部長)が就く。鈴木氏と大森氏は、4月1日付で執行役員に就任する。デジタルイノベーション本部長は、イノベーション推進本部長の西畑智博常務が引き続き務める。
Tadayuki YOSHIKAWA