インドネシア中銀、当面は通貨安定に重心 25年には利下げも
Fransiska Nangoy Stefanno Sulaiman [ジャカルタ 29日 ロイター] - インドネシア中央銀行のペリー・ワルジヨ総裁は29日、通貨ルピアの安定維持に金融政策の照準を合わせ、2025年に主要金利をさらに引き下げる機会を探る考えを示した。 トランプ氏の米大統領選勝利を受けて世界経済の不確実性は高く、世界経済や米連邦準備理事会(FRB)の政策動向にも影響するとの見方を、金融幹部や政府関係者との夕食会で明らかにした。 インドネシア中銀は、FRBが金融緩和サイクルを開始する直前の9月に金利を引き下げて以降は、政策金利を6%に据え置いている。 ワルジヨ氏は「トランプ氏の返り咲きによって、高関税や貿易戦争など地政学的状況や世界経済に大きな変化をもたらすだろう」と述べた。 「世界経済の成長率は25、26年に低下する。米国は堅調な一方、中国と欧州は減速する。ただインドとインドネシアは比較的良好な状態を維持するだろう」との見方も示した。 ワルジヨ氏は、世界的な混乱に備えてルピアの安定に注力する必要があることから、当面は金利を据え置くとした上で、「われわれは引き続き、さらなる利下げの余地を探っている」とも付け加えた。 中銀は、インドネシアが25年に4.8─5.6%、26年に4.9─5.7%成長すると予測。インフレ率は26年まで1.5─3.5%の目標範囲内にとどまるとしている。 今後2年間の融資の伸びは、年間11─13%と、今年の推定10─12%から加速する見通し。