“ねずみの三銃士”京都公演に向けて、生瀬勝久、山本美月が意気込み
生瀬勝久、池田成志、古田新太による演劇ユニット“ねずみの三銃士”が、6年ぶりに新作『獣道一直線!!!』を上演。10月に東京で幕を開け、松本、札幌での公演を経て、いよいよ11月19日(木)より京都公演が開幕する。生瀬と今回ゲストとして迎えた山本美月が京都公演に向けて思いを語った。 ねずみの三銃士は、“今、一番やりたい芝居を、自分たちの企画で上演したい!”という思いで活動。2004年の『鈍獣』から始まり、09年『印獣』、14年『万獣こわい』と、宮藤官九郎が書き下ろした脚本を、河原雅彦が演出してきた。第4弾となる今回は、昨夏より始動したが、コロナ禍により「開催できるかどうか、半信半疑だった」と生瀬は言う。「脚本の宮藤君も台本書きながら、上演できるのかな?と思って書いていたそうです。だから無茶書いても、やらないかもしれないからいいだろうと。野球に例えると、思い切りバットを振り切った感じの台本になっています(笑)」。そんな中で無事幕を開けたことに「本当にやれてよかった。舞台は結局、お客さんと演者で初めて作られるものなんだと痛切に感じました。最後の拍手やスタンディングオベーションに泣きそうになりますね」と喜びを語る。 『獣道一直線!!!』は、実際に起きた事件がモチーフ。多くの人間を翻弄し殺害した“毒婦”を巡る物語で、役者はさまざまな人物を演じ分けて見せる。「事件としてあった本当の話を、宮藤君がいろいろ脚色して面白おかしく仕上げています。僕は売れない俳優の役が主軸で、事件を再現するときに演じる人。とにかく観ていただけると、どんどん仕組みが分かっていってもらえる」と生瀬。山本は「私が軸として演じているのは、ドキュメンタリー作家の奥さんで、元アイドル。池谷のぶえさん演じる“かなえ”という人に翻弄されるひとりです。女としてもなぜか魅了されてしまう。今回の舞台は、敷居が低くてただただ楽しいけど、観た後にいろいろ考えることもできる作品。持ち帰っていただけるものは多いと思います」。 舞台は2回目の挑戦となる山本。「稽古のときは、うまく表現できずに苦しんだこともありましたけど、ねずみの三銃士に参加させていただいて、また舞台がやりたいなと思えたのは良かったです」と語る山本に、生瀬は「東京の初日から北海道公演まで、本当にお客さんを前にして変わっていってます。僕らおじさんたちがふざけているのを、ここまでやっていいんだって目の前で見ているので、彼女もどんどん自由になっていますね。伸びしろしかない。これからどんどん舞台に出ていただいて、素敵な女優さんになってもらいたい」と賛辞を贈る。 稽古のときからスタッフ、キャスト全員、定期的にPCR検査を受け、感染対策を徹底。京都公演に向けては「外に出ることにも、劇場という空間に対しても不安があると思いますが、万全の対策をしております。今の世の中のいろんな暗いニュースを忘れていただけるような空間になっていますので、たくさんの方に観ていただき、2時間半楽しんでいただけたらと思います」と生瀬。山本も「こんなご時世ですが、少しでも皆さんの気持ちを明るくできたらと思います。たくさん笑っていただけると思いますので、ぜひマスクの換えを持って、劇場に会いに来てくれたらうれしいです」。 京都公演は11月19日(木)より23日(月・祝)まで、ロームシアター京都メインホールにて。チケット発売中。 取材・文:黒石悦子