国と東電の説明は。数字で見る福島第一原発の「汚染水」と「処理水」の行方
2011年にあった東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所で事故が起きた。溶け落ちた核燃料を冷却するため、常に水をかける必要がある。ただし、それによって水は、高濃度の放射性物質を含む「汚染水」となる。汚染水は、この瞬間も生まれ続けている。いま、その汚染水に放射性物質の除去処理を施した後の「処理水」をどう処分するのかを巡り、国内外の注目が集まっている。【BuzzFeed Japan / 瀬谷 健介】 さまざまな議論が続いているが、日々流れるメディアの報道を追っても、十分に内容を理解することは難しい。そして、その基礎となるデータが、社会で共有されているとは言いがたい。 汚染水と処理水を巡る問題を考える上での一助となるべく、BuzzFeed Newsは今後、この問題を様々な角度から報じる。 その第一弾として、まず国と東京電力が汚染水と処理水について、どう説明しているのかを14の数字で紹介する。
(1)「汚染水」は3つの原子炉から常に発生
「汚染水」は、福島第一原発の3つの原子炉から常に発生している。 そもそも汚染水とは何か。汚染水が今も増え続ける基本的な構図はこうだ。 経済産業省によると、福島第一原発では、東日本大震災後に1~3号機の原子炉内の核燃料が溶け落ちた。水素爆発も起き、大量の放射性物質が放出された。 原子炉内には、「燃料デブリ」と呼ばれる、溶けて固まった燃料が残っている。 この燃料デブリは、冷却状態を維持しなくてはならず、絶えず水をかける必要がある。 ただし、これによって核燃料と水が混ざって、高濃度のセシウムやストロンチウムなどの放射性物質を含んだ水ができる。これが「汚染水」だ。 また、汚染水がさらに発生する要因がある。水素爆発や地震などの影響で破損した原子炉建屋に、地下水が流れ込み、屋根からも雨水が入ってくる状態にあるのだ。 今後も、燃料デブリが原子炉内にあり続ける限り、汚染水は生まれ続けてしまうという。