プロ野球「14球団制」への布石?今季二軍に参加「新潟&静岡」に“一軍昇格”の可能性はあるか
参戦初年度の集客は…
では、肝心の集客はどうだったかというと、オイシックスは1試合平均1247人、ハヤテは同866人を動員。これだけ見ると、かなり厳しい数字にも映るが、1000人を下回ったハヤテでも二軍14球団の中では8位と決して悪くなかった。 試合開始が平日の昼すぎということも珍しくなく、さほど気にする必要はないだろう。むしろ、オイシックスはBCリーグ所属時の前年から平均入場者数は2倍以上に増えており、事業収入も目標の6億円を達成する見込み。1年目としては合格点といえる運営だった。 また、オイシックスが本拠地を置く『HARD OFF ECOスタジアム』は、3万人を収容できる大箱。これまでも多くのNPB主催試合が行われており、近い将来、新潟に一軍の球団が誕生してもおかしくない。
サッカー王国で野球熱を高めることはできるのか
一方で、ハヤテのホーム球場、静岡市の『ちゅ~るスタジアム清水』は、収容人員が1万人と小規模。今季はほかに約2万人以上を収容できる静岡草薙球場や浜松球場でも主催試合を行ったが、そもそも静岡県はサッカー王国と呼ばれる土地柄でもある。東名高速と東海道新幹線が東西に延びる交通アクセスの利点はあるものの、野球熱の高まりを期待するのは来季以降のハヤテ次第といったところか。 もし将来的に一軍の球団数を拡張するとなると、毎試合少なくとも1万5000~2万人の集客は必要不可欠。新潟市(約76万人)と静岡市(約67万人)は、人口自体は変わらないが、減少幅は後者の方が大きい。その点でも一軍に13球団目が誕生するとすれば新潟が有力候補といえるだろう。
阪神ファンの多い関西圏も成功する可能性あり?
また、それ以外の都市となると、約145万人を抱える京都市も候補の一つ。『わかさスタジアム京都』は収容人員が2万人とやや手狭だが、交通アクセスは悪くない。何より訪日客でごった返す京都なら、阪神ファンが多い関西圏でも成功の可能性は十分あるはずだ。 まずはオイシックスとハヤテが二軍で地盤を固める必要があるが、数年後に14球団制への移行が本格的に議論されていることを願いたい。 文/八木遊(やぎ・ゆう) 【八木遊】 1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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