【医師に聞く】1人目は妊娠したのに、2人目はなかなか妊娠しない…これってなんで?
1人目は意識しなくても妊娠できたのに、2人目はなかなか授からない……という悩みを聞いたことはありませんか? 2人目不妊という言葉がありますが、どうして2人目はなかなか妊娠できないと言われているのでしょうか。1人目を産んでから2人目までの期間によって状況は変わるのか、2人目不妊についての真実を田園都市レディースクリニックの河村先生に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
【この記事の監修医師】 河村 寿宏先生(田園都市レディースクリニック あざみ野本院 院長) 東京医科歯科大学医学部卒業後、東京医科歯科大学医学部附属病院で臨床研修、都立大塚病院産婦人科などに勤務。Glostrup Hospital,University of Copenhagen、Center for Clinical & Basic Researchに留学後、東京医科歯科大学附属病院の産婦人科病棟医長、賛育会病院、日産厚生会玉川病院産婦人科医長を務める。2000年に田園都市レディースクリニックを開院。不妊治療専門クリニックとして、夫婦にとって最も有効な不妊治療ができるように取り組んでいる。日本産科婦人科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本東洋医学会漢方専門医の資格を有する。
2人目不妊が増えた要因は、初産年齢の上昇にあった
編集部: 近年、2人目不妊が増えていると聞いたのですが本当でしょうか? 河村先生: そうですね。当院では不妊相談のうち4人に1人が、2人目不妊の相談で来院されています。そのうち、約8割の人が1人目は自然妊娠で出産した患者さんです。 編集部: 2人目不妊とはどのような状態を指す言葉なのでしょう? 河村先生: 明確に定義があるわけではないですが、「1人目の授乳期間が終了してから、避妊せずに夫婦生活を続けているのに、1年以上妊娠に至らない状態」を2人目不妊とすることが多いですね。 編集部: なぜ授乳期間が終わってからなのでしょう? 河村先生: 授乳中は母乳の分泌を促す「プロラクチン」というホルモンの影響を受けてしまうからです。プロラクチンは排卵を抑制する働きがあり、授乳中は妊娠しづらい状態になるのです。もちろん、100%妊娠しないというわけではありませんが、授乳期間に妊娠しづらくなるのは、自然現象なので、気にしすぎないようにしましょう。 編集部: わかりました。しかし、1人目は自然妊娠したのに、どうして2人目は難しいのでしょうか? 河村先生: 大きな原因は加齢です。最近では初産の年齢が昔に比べて上がっています。そのため2人目を妊娠したいと思う頃には、30代半ば以降という人が多くなりました。 編集部: なぜ高齢になると妊娠しづらくなるのでしょう? 河村先生: 30代後半になると、卵子自体の老化が起こるからと考えられています。卵子はもともと胎児のときから体の中に備わっており、それ以上に新しく作られないので、加齢が進むにつれ、妊娠しづらくなるのです。また、卵子の数も加齢とともに減少していきます。