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UVERworld 初の配信ライブで魅せた新たな景色、未来への希望

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エムオンプレス

すべての人の行動様式、生活様式がこんな形で一変してしまおうとは誰が予測しただろう。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に誰もが変容を強いられ、音楽業界もその例外ではない。国より大規模イベントの自粛を要請された2月下旬以降、とりあえず緊急事態宣言は解除となった今もなお、これまでのようなコンサートやイベント、ライブが開催可能となる見通しはまるで立っておらず、アーティストやミュージシャンをはじめ音楽に関わる人間はそれぞれに道を模索し続けているのが現状だ。そうした状況に先鞭をつけるべくUVERworldが、バンド結成20周年を迎える2020年6月6日に“UVERworld 20&15 ANNIVERSARY LIVE”と冠し、「PIA LIVE STREAM」にてファンクラブ会員限定の動画配信ライブを敢行した。それは彼らのライブの締めくくりに常にTAKUYA∞が口にしてきた「新たな時代に足跡つける、俺たちがUVERworld。よろしくどうぞ!」の決め口上をそのまま体現するかのごとき、21年目の画期的第一歩だったのではないだろうか。 【写真】UVERworld 初の配信ライブの模様 取材・文 / 本間夕子 ◆記念すべきバンド結成20周年という日に懸ける彼らの意気込みまでもが伝わってくる 配信開始は18時30分。待ち遠しさの余り、開場時刻とされた17時30分を回るや否や視聴ページにアクセスしてみる。画面にライブタイトルと今日の日付、“配信開始までしばらくお待ちください”の文字が静止画状態で表示されるなか、BGMに流れる『UNSER』(このときは「Making it Drive」)にいきなり熱いものが込み上げてきた。いつも聴いているのに、いつもとはまるで違う。自宅で一人パソコンに向かってはいるけれど、この昂揚感、ドキドキとワクワクが腹の底から迫り上がってくる感覚は紛れもなくライブ会場で開演を待っているときのそれだ。おそらく何万人というCrew(※UVERworldファンの総称)が同じ気持ちで画面を覗き込んでいるに違いない。18時を過ぎてからはCrewにはお馴染み、大岩Larry正志がアドリブでアテレコしたメンバーのオフショット動画(しかも“UVERworld LAST Tour 2010”、「WE ARE GO」MV以来、久々の新作!)も差し挟まれ、観る者の期待をいよいよ煽る。記念すべき今日という日に懸ける彼らの意気込みまでもが伝わってくるようだ。 静止画面の表示が“Start Soon! Are U Ready?”になり、そして予定時刻きっかりに映像へと切り替わった。SEの「UNSER」が鳴り渡った直後、真太郎のドラムソロが炸裂。1辺3メートルほどだろうか、ほぼ正方形のステージを挟んで彰と誠果、克哉と信人がスタンバイするその場所に、ついにTAKUYA∞が姿を現した。「ホォ~~ッ!」と猛るTAKUYA∞の高らかなシャウト、アグレッシヴに迸る演奏。待望の1曲目は「Don’t Think. Feel」だ! 曲がスタートした途端、映像はモノクロからカラーへ。その瞬間、画面のこちら側と向こう側が確かにつながったと実感した。 ◆「喜んでるよ、きっと。喜んでる、絶対に」と、TAKUYA∞は画面の前にいるCrew一人ひとりに手渡すようにそう言った「喜んでるよ、きっと。喜んでる、絶対に。今日はみんなが喜ぶセットリストをちゃんと持ってきてるから。21年目に相応しい最高のライブ、パフォーマンス、画面を超えてお届けします」 「stay on」「ODD FUTURE」と立て続けに披露し、さらに間髪入れず「激動」のイントロSEが流れ出すと、TAKUYA∞はメンバーを見やりながら、画面の前にいるCrew一人ひとりに手渡すようにそう言った。声が少し震えて聞こえたのはついにライブが実現した喜びと、それから、もしかすると久々にノド全開で歌っているため、かつハイペースに畳み掛けすぎたためかもしれない。もちろん圧倒的に喜びが勝っていることは無邪気に輝く彼の目を見れば一目瞭然だろう。彼だけじゃない。6人が6人、本当に幸せそうな表情をしている。振り返れば2月22日の“克哉生誕祭”を最後に延期となってしまった“UVERworld LIVE HOUSE TOUR 2020”以来、彼らにとっても約3ヵ月ぶりのライブ。また、メンバー同士が会うことも3月以降、このライブのためのリハーサルまでなかったというから、その喜びは我々の想像を遥かに超えるはずだ。「思いっきりいけよ!」とTAKUYA∞から発破をかけられた真太郎が大きくシンバルを打ち鳴らしたのを合図に、一気呵成になだれこんだ「激動」にはそんな彼らの歓喜に裏打ちされた躍動感が溢れ、それをリアルタイムで観られること、彼らやたくさんのCrewと共有できることがまたしみじみとうれしい。同時に当たり前が当たり前じゃなくなってしまったこの世界、新型コロナウイルスがもたらした変容の深刻さについてもやはり感じずにはいられなくなってしまう。どれだけ一緒に歌い叫んでも、こちら側の声は画面の向こうに届かない。厳然としたその事実を寂しいと思ってしまったのも正直なところだ。 ◆「俺たちの音楽は不要不急なんかじゃねぇ!」と力強く言い切って突入した「在るべき形」 それでも、この日のライブには終始、希望がみなぎっていたと思う。理不尽な現状を真っ向から受け止め「何人たりと俺たちの音楽を止めることはできない」と不屈の意志を軽やかなサウンドに昇華させた「ODD FUTURE」然り、今日が無観客ライブであることに触れつつ「でもお客さんゼロでライブをすることには幸い、俺たちは慣れてる」とインディーズ時代を振り返って笑っては「何度も経験してきたし、それでもガムシャラにライブをやってきたから今がある。今日もしっかり証明するよ」と宣言、「俺たちの音楽は不要不急なんかじゃねぇ!」と力強く言い切って突入した「在るべき形」は正解が見えない今、自分自身がどうあるべきかを真摯に問いかけ、一人ひとりの胸の内に明かりを灯してくれた。「AFTER LIFE」では「体に沁み込んでんのか心に沁み込んでんのか分からないけど、無観客だろうと歌ってたらみんなの声が聞こえるんだよ」と告げ、スケール感たっぷりの演奏と歌でもって、離れていても画面越しでも魂と魂でつながっていることを思い出させてくれた。 ◆メンバーのみならずスタッフ陣も並ならぬ熱量でこのライブに臨んでいることが窺い知れる。さすがはチームUVERworld ただ単に演奏風景を中継するのではなく、ライブ配信という形だからこそできることを徹底的に追求し、ライブならではの生々しさは削ぎ落とすことのないまま、新しい表現の形を見事に提示してみせてくれたことも後に続く者にとって大きな希望となったはずだ。複数台のカメラが駆使されたというビジュアルワークは客席からではなかなか視認することが難しいだろう機材越しのアングルや、細やかな指の動き、汗のひと粒までもクリアに捉える一方で、例えば「stay on」や「0 choir」といった楽曲ではいつもはスクリーンに流れる映像をLEDパネルでできたステージに映し出し、それをメンバーごと俯瞰で撮影してみせることでまるで空撮のようなスケール感とダイナミックな視覚効果を生み出す。あるいは生の演奏場面に映像を重ねることで、世界観がより立体的に演出された楽曲も。加えて照明に関しても、ものすごい数のレーザー光線が飛び交うなど普段の彼らのライブと全く遜色のない華やかさが保たれていることにも驚かされた。さすがはチームUVERworld、メンバーのみならずスタッフ陣も並ならぬ熱量でこのライブに臨んでいることが窺い知れる。こんな見方、感じ方もできるのかと目を見張っているうちに寂しさより楽しさのほうが上回ってきた気もする。いずれにせよ、今回のUVERworldの試みがライブ配信のポテンシャルをグッと引き上げたことは間違いないだろう。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだこの時期にライブを配信することには迷いもあったと後半のMCで明かされたが、「でも悪いことをやるわけじゃないし、俺たちのこの時間は本当に必要なんだって提示するためにも、胸を張って、先頭切ってレールを引くつもりで」覚悟を決めたのだという。20年間、道なき道を切り拓き、自らの手で大切なものをつかみ取って守り続けてきたUVERworldというバンドの矜持に触れて、改めて背筋が伸びる。 ◆渾身のパフォーマンスを披露した「AS ONE」とCrewを驚喜させた「LIFE」「美影意志」 「この曲を生で、大音量でやりたかった」という念願を渾身のパフォーマンスで叶えた「AS ONE」に、この日が初披露となった新たなインストナンバー「Spreadown」と最新シングルの曲たちにも心躍ったが、さらにCrewを驚喜させたのは「LIFE」「美影意志」ではないだろうか。前者は「ナノ・セカンド」のカップリング曲、後者は『AwakEVE』収録曲(のちに「哀しみはきっと」のカップリングにもバージョンを変えて収録)であり、どちらもUVERworldのTAKUYA∞曰く隠れた名曲だが、“隠れている”だけにライブで演奏される機会もそう多くはない。通常のツアーでは会場によって演奏曲に不公平が生じないようにするため、そうした隠れた名曲はセットリストに登場させにくいものらしい。しかしライブ配信ならどの土地の人でも観てくれた人全員に同じものを届けることができる。これもまたライブ配信ならではの魅力と言えるかもしれない。心の深いところにまでストレートにメッセージを届ける「LIFE」の瑞々しい疾走感、この上なく温かなラブソング「美影意志」には素直に涙腺が緩む。曲が生まれたときの何倍も何十倍も鍛え上げられ磨き抜かれた今の彼らのスキルとセンスが一音一音、一語一句に募りゆく聴き手の感情をいっそうブーストさせるのだからたまらない。 ◆新しい始まりの先に何が待っているのか分からない。でもきっと素敵な世界を作っていけると信じたい 「これは新しい始まりなんだよね。もう元の生活に戻れない部分はあるんだろうけど、終わりが告げた俺たちの始まりということで、また新たな世界が待っているから」 そうTAKUYA∞が言ってスタートしたのは始まりの合唱、「0 choir」だった。マイクこそ通していないものの、克哉も誠果も真太郎も彰も一緒になって歌っている。信人は演奏に没頭していたが、それだって全身で歌っているようなものだ。もちろん筆者も歌った。全国でたくさんのCrewが重なる声を思い浮かべながら歌っていただろう。新しい始まりの先に何が待っているのか分からない。でもきっと素敵な世界を作っていけると信じたい。“僕たちは生きて行こう”のフレーズのなんと沁みることか。 ◆「俺たちの心と体に刻まれてる最高の景色よりももっとすごいものを見せるために俺たちはUVERworldであり続ける」(TAKUYA∞) 「UVERworldは新しいことをどんどんやっていくべきなんだよ。立ち止まっちゃいけないし、自分たちの意志以外で音楽を止められるのはまっぴらだって心の底から思う。新しいことをすると、ひょっとしたら散々なことを言われちゃうのかもしれない。でも、そんなものは俺たちに届かない、まだまだやるべきことがあるんだ。俺たちの心と体に刻まれてる最高の景色よりももっとすごいものを見せるために俺たちはUVERworldであり続けるし、あなたたちと新しい景色を見るために最高の曲を作り続けるから」 最後にTAKUYA∞はきっぱりと画面越しに約束した。ラストナンバーは「MONDO PIECE」だ。隣り合う見知らぬ者同士が肩を組んで大きく揺れる、そんな景色以上の景色が果たしてあるのだろうか。でもUVERworldなら見せてくれそうな気もする。このライブ配信だって想像を遥かに超えるものだった。まずは来たる7月6日、今度はメジャーデビュー15周年となるその記念日に再び行なわれる動画配信ライブ“UVERworld 20&15 ANNIVERSARY LIVE”を楽しみに待ちたい。必ずや彼らは今日を超えてくるはずであり、それが今、何よりの希望だ。 ◆UVERworld 20&15 ANNIVERSARY LIVE 2020年6月6日(土) PIA LIVE STREAM 〈SET LIST〉 01.Don’t Think Feel 02.stay on 03.ODD FUTURE 04.激動 05.AS ONE 06.在るべき形 07.ナノセカンド 08.Making it Drive 09.LIFE 10.美影意志 11.Spredown 12.Touch off 13.AFTER LIFE 14.0 choir 15.MONDO PIECE UVERworld 初の配信ライブで魅せた新たな景色、未来への希望は、WHAT's IN? tokyoへ。

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