レジなしコンビニ・"顔パス"改札...進化する『決済の仕組み』 メリットと課題は?現金はなくなる?"体内マイクロチップ"を導入する国も【ウォークスルー決済】【顔認証改札】
【ウォークスルー決済】メリットは?課題は?
この『ウォークスルー決済』には、どのようなメリット・課題があるのでしょうか。第一生命経済研究所・柏村祐主席研究員に聞きました。 <メリット> ▼客側:スピーディー・非接触 ▼店側:人手不足に対応 行動データ活用 ▼客側・店側:24時間営業しやすい 行動データ活用とは、性別・年齢・店・商品・購入時間といった客の購買情報をデータ化しマーケティングに活用することです。 <課題> ▼初期投資・システム維持費 ▼商品の補充は人間が行う ▼酒などの年齢確認 柏村氏によりますと、新テクノロジーが登場した場合、最初は多くのお金がかかるもので、それが広がっていくとコストは削減されていき、広く使えるようになるということです。
【顔認証改札】“顔パス”で改札を通過する時代に!
駅の「顔認証改札」の技術も進んでいます。“顔パス”で改札を通過する時代が来るかもしれません。JR西日本では、大阪駅(うめきた地下口)と新大阪駅(東口)に顔認証改札を設置し、現在、モニターと社員による実証実験が大阪駅-新大阪駅の間で行われています。また、大阪メトロでも、今年度末の実用化を目指し、社員で実証実験中です。“1日乗り放題券”などから実用化が始まるのではとも言われています。 ちなみに、千葉県佐倉市の「山万ユーカリが丘線」では顔認証改札がすでに今年6月から実用化されています。6駅だけの路線で、一律200円(大人)で乗車できることから、導入しやすかったのかもしれません。担当者によりますと、「磁気切符だけだったので、切符をなくす心配がなくなった」など好評で、高齢者も積極的に利用していて“話のネタ”になっているそうです。 なお、柏村氏によりますと、日本の顔認証技術は非常に進んでいて、インド版のマイナンバー制度「アドハー」の顔認証にも日本の技術が使われています。ただ、日本人はプライバシーを気にする心理的ハードルが高いということです。
【未来の決済方法】スウェーデンでは「体内マイクロチップ」 インドでは「目の虹彩」を利用
未来の決済方法はどうなっていくのでしょうか。柏村氏によりますと、スウェーデンではすでに「体内マイクロチップ」が乗車券などで利用されています。また、インドのマイナンバーには、目の「虹彩」の情報も登録されています。 新しい決済方法が次々に登場していますが、柏村氏は「日本からは当面、現金はなくならない」とコメント。日本は現金を大事にする国で、今年は新札も発行されました。技術はあるが警戒心が強い国民性も影響しているようです。ただ、新しい支払方法は「万博」をきっかけに大きく広がる可能性があるとも指摘しています。 技術の進歩というのは“置いてけぼりの人”を生んでしまう危険性があるため、「選択の余地」を残すことが大事だと、柏村氏は強調します。現金で払いたい人や、店員さんとコミュニケーションを取りたい人が買い物に困らない社会が望まれます。 (2024年11月15日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)