「コンプレックスを抱え、自信のないモデルたちと対峙し」日本初のプラスサイズモデル事務所・代表の桃果愛「言い続けることは根気がいるけど」
── 今後の目標を教えてください。 桃果さん:私はショーに出ることも好きですが、裏側でディレクションするのも大好き。昨年のミラノ・ファッションウィークでは、日本のブランドチーム『MOMOKA TOKYO』を立ち上げ、体型、身長、肌の色、障がいなどにとらわれないコレクションを監修しました。ショーに衣装を出すスポンサーに声をかけ、そのスポンサーに合ったテイストのテーマを提案し、テーマに合ったメイクやコーディネート、会場で流す曲を提案し、モデルをキャスティングし、衣装を出す順番やウォーキングの動線を考えて…全部ディレクションしました。来年はニューヨークでも企画・監修に挑戦します。海外で何をどうやって表現したら日本のブランドのよさが伝わるか、考えるのはすごく楽しいです。
海外でのショーを経験し、日本から海外にもっと商品をPRしたいファッションブランドや、逆に日本にもっと進出したい海外のファッションデザイナーがたくさんいることを実感していますし、日本に駐在している大使館から何かコラボレーションできないかと話が持ちかけられることもあります。そういった企業や国を結びつけ、日本と海外の架け橋になるのが今の夢です。 PROFILE 桃果 愛さん ももか・あい。1986年大阪府生まれ、熊本県育ち。看護師をしながら日本初の「プラスサイズモデル」活動を開始。2017年にプラスサイズ専門のモデル・タレント事務所『GLAPOCHA』を設立し、モデル・タレントの派遣事業に加えて企業とのコラボ商品開発にも取り組む。現在はジェンダーレスや外国人など多彩な個性のモデルを含め約80名が所属するグローバルモデル・タレントエージェンシー『株式会社W IMPACT』の代表取締役社長。2023年パリ・ファッションウィークへの参加を皮切りに、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのショーに参加。国内、海外問わずに活躍の場を広げている。
取材・文/富田夏子 写真提供/桃果 愛
富田夏子