「コンプレックスを抱え、自信のないモデルたちと対峙し」日本初のプラスサイズモデル事務所・代表の桃果愛「言い続けることは根気がいるけど」
グローバルモデル・タレントエージェンシー(株)W IMPACT代表取締役社長の桃果愛さん。「人にけなされた過去がある人はどうしても自信が持てない」と、所属モデルと向き合うなかで感じて── 。(全2回中の2回) 【写真】「衣装も斬新」プラスサイズモデルとしてランウェイを歩く桃果さん ほか(全15枚)
■看護師をしながら日本初のプラスサイズモデルに ── どのようにして「日本初のプラスサイズモデル」になったのですか? 桃果さん:大学を卒業して看護師になり、3か月経ったころからモデルの仕事を始めました。当時は読者モデルブームだったこともあり、「ファッションが好きだし、プロにメイクしてもらってカメラマンに写真を撮ってもらえたらいいな、仕事の気分転換になるし楽しめるかな」と軽い気持ちで応募しました。100人くらいの応募があったなかで選んでいただいて、初めてカタログモデルの仕事をさせてもらいました。そのカタログは、私がずっと洋服を買っていた通販会社のものだったので、すごくうれしかったのを覚えています。
── その後も看護師の仕事をしながらモデルを続けていたんですね。 桃果さん:はい。当時、日本に「プラスサイズモデル」として活躍している方がいなかったので、テレビ局や企業の方から直接オファーをいただく機会が増えて、9年くらいは看護師とモデルの二刀流を続けていました。モデルの仕事は定期的に入るわけではないので、看護師の仕事が休みの日にモデルをしていた状況です。 モデルの仕事一本でやっていこうと決めたのは、29歳のときに看護主任の打診をいただいたことがきっかけです。20代で看護主任というのは異例の若さで、お給料も上がるしとてもありがたいことだったんですけど、自由に休みが取れなくなるのがネックで…。そこで「どちらも中途半端になるのは嫌だし、今しかできないモデルに絞ってやってみよう!」と決めて2017年に起業しました。
ただ、看護師の仕事は今もときどきやりたくなるくらい好きです。人の役に立っていることが実感しやすく、心からの「ありがとう」がたくさん聞ける職業じゃないかなと思います。