“パワハラ疑惑” 兵庫県知事に「もう一緒にやっていけない」自民党 “2度めの手のひら返し”…現職市長が明かす力関係とは
ついに後ろ盾も失ったようだ――。 自民党兵庫県連の末松信介会長は、7月14日、県連大会の冒頭あいさつで、パワハラ疑惑で窮地に陥っている斎藤元彦・兵庫県知事について、 【写真あり】斎藤知事の擁立を推進した菅元首相 「斎藤知事とはもう一緒にやっていけない」 と発言。次期知事選では推薦を出す可能性がないことを示唆した。 兵庫県内の現職市長がこう話す。 「そもそも、2021年の知事選の争点は、5期20年も続いた井戸敏三前知事の県政への評価でした。井戸前知事の後継候補は副知事で、自民党系の金沢和夫氏。これに待ったをかけたのが総務省官僚で、当時大阪府に出向していた斎藤現知事です」 この現職市長が、さらにあきれ顔で続ける。 「今回のパワハラ疑惑では、維新会派の議員が “知事与党” として、疑惑のもみ消しに動いたなどと報じられていますが、そもそも斎藤知事を最初に担ぎ出したのは、自民党の兵庫県連所属の国会議員15人です。 自民党県連は、お隣の大阪府を席巻していた日本維新の会を恐れ、維新と相乗りで応援できる斎藤知事を担ぎ出したのです。自民党の県議団は、事前に金沢氏の擁立を決めていたにもかかわらず、手のひらを返したのです。 斎藤知事擁立の要請を受けた菅義偉元首相も、『維新とのパイプをアピールできれば党内基盤を強固にできる』と判断し、当時代表だった松井一郎氏に根回しをしました。その結果、大阪維新の会がまず推薦を出したうえで、自民党本部としても推薦を出すことになったのです」 選挙戦では、大阪維新の会のイメージカラーであるグリーンではなく、自民党のブルーで戦ったという斎藤知事。それだけに、地元・兵庫では自民党系の知事との認識も高いという。だが、“パワハラ” の烙印が押された以上、自民党は再び手のひらを返すことになる。 「元局長の告発文書は、メディアの他に自民党県議にも届いています。大阪万博の混乱や度重なる不祥事で維新の支持率が落ちているので、自民党はもう維新に配慮する必要がありません。 自民党としては、自分たちに飛び火しないよう徹底的に斎藤知事を追いつめる方針です。すでに支持基盤の7割が消えたとも言われていますしね。それにしても、何回手のひらを返せば気が済むのか……」(政治部記者) いずれにせよ、早期辞職は避けられそうにない。