【高校陸上】女子ハードル・横山涼葉(共愛学園高)最終学年で大きく飛躍、2種目で全国大会制覇
高校トップ選手にフォーカス!今回は女子ハードルの横山涼葉選手(共愛学園高3群馬)です。夏の福岡インターハイでは100mハードルで高校歴代5位タイの13秒42をマークして優勝すると、秋の佐賀国民スポーツ大会では少年Aの300mハードルに出場。2レース連続で従来のU20日本記録を更新し、40秒58で制しました。今季の高校女子ハードル界で輝かしい成績を残した横山選手に今季を振り返っていただきました。 横山選手のプロフィールをチェック!
夏も秋も大舞台で大幅自己ベスト
――2024年シーズンを振り返っていかがですか。 横山 インターハイの100mハードルでも、国スポの300mハードルでも優勝しましたが、その中でインターハイの優勝は今シーズンの一番の目標だったので、本当に良かったです。 ――女子100mハードルには、同学年のライバルに高校歴代10傑入りした実績のある選手もいました。 横山 今年のインターハイはレベルの高い戦いになるだろうとは予想していたので、優勝には13秒5ぐらいを出さないといけないと考えていました。2年生の自己ベストは13秒93だったので、まずは13秒台を安定して出すところから始めて、徐々に目標を上げていきました。 ――昨年の自己ベストから0.51秒更新しました。今季に向けてどのようにトレーニングを組み立ててきましたか。 横山 まずは冬季練習で基礎体力をしっかりつけることでした。共愛学園では、冬季にウォーミングアップの中で150m、200m、300mをそれぞれ100m15秒ペースで走る練習がありますが、そういったメニューをきっちりこなしてきました。 ――その中で練習への意識は変わりましたか。 横山 補強はどうやったら、自分にとってさらにプラスになるか、考えながら取り組みました。1年生の冬季練習は、顧問の田中恵一先生から教わっても、ただこなすだけでしたが、2年生の時はそれぞれのトレーニングの目的を捉えて練習できるようになったと思います。 ――シーズンを迎えて成果は感じましたか。 横山 ハードル練習でも以前よりタイムを縮めていたので、着実に力はついていました。なかでもスピードがついたという手応えがあって、7月中旬の記録会で100mに出場して初めて11秒台(11秒96/+0.6)が出ました。そこで自信を持つことができて、インターハイに臨めたと思います。 ――福岡インターハイ前までは13秒71が自己ベストでしたが、本番では準決勝で13秒46(-1.4)、決勝では13秒42(+1.4)と一気に13秒4台を連発しました。 横山 想像以上のタイムが出ました。準決勝のウォーミングアップで行ったハードル練習で、何の抵抗もなくすんなりと跳ぶことができるほど、調子が良かったです。その準決勝で13秒5を切れたことが大きかったです。決勝はスタートして最初からレーンの両隣の人が視界に入らなくて、そのままスーッと走っていきました。 ――国スポでは100mハードルではなく、(少年A)300mハードルに挑戦しました。 横山 4月の記録会で300mハードルを43秒01で走りました。国スポ選手選考の規定タイムを突破していたので、インターハイ前から、国スポは300mハードルで出る方向で準備を進めてきました。 ――300mハードルのトレーニングを始めたのはいつからですか。 横山 本格的には9月上旬の県高校対抗の後からです。私はまだ、逆脚ができなくて、15歩の次は17歩です。その切り替えをうまくブレーキをかけないように意識していました。 ――タイムは予選で41秒43と、従来のU20日本記録、高校記録(いずれも41秒45)を更新し、決勝は40秒58と更新しました。 横山 当初は42秒台を出して決勝に進めることができればと思っていました。それが予選で1秒速く、瀧野(未来)さん(京都橘高/現・立命大)のU20日本記録を破って、決勝でもさらに更新して、自分でもすごくびっくりしました。 ――ハードラーとしての特徴を教えてください。 横山 身長が170cmなので、その身長を生かしてハードリングでも腰の位置を高く保てているのが特徴かな、と思います。意識しているのはスピードを殺さずにハードルを越えていく感じです。 ――来シーズン以降はどのように考えていますか。 横山 大学で競技を続ける予定ですので、4年間でまずは日本インカレ優勝を目標に考えています。種目は100mハードルだけでなく、逆脚もできるようにして400mハードルにもチャレンジしたいです。