陰の主役は「松」 皇居・乾通りで江戸城の遺構と紅葉がコラボ 30日から一般公開 現着しました!
■陰の主役は「松」
乾通りの特徴の一つが、樹種の多様性だ。イロハモミジにソメイヨシノなど、種の違う樹木が混在し、同じ樹種が並ぶ一般的な並木道とは異なる景観が楽しめる。宮内庁庭園課の吉田光好課長補佐は「桜と紅葉が目立つが、並木道のメインは松」と明かす。常緑の松を中心に、四季を通して美しい景色を楽しむことができる。
乾通りの左右にある、「乾濠(いぬいぼり)」「蓮池(はすいけ)濠」「下道灌(しもどうかん)濠」の3つの堀も見どころだ。それぞれ違う風情があり、乾濠と蓮池濠の向こうには、雄大な石垣がそびえる。特に蓮池濠の方に目をやると、江戸城にあった防御設備で、長屋として唯一現存する「富士見多聞(たもん)」が景観のアクセントに。蓮池濠の反対側にある下道灌濠は、自然の地形と植生に味わいがある。
吉田氏は「天皇、皇后両陛下のお住まいがある場所なのだと感じながら、皇居の歴史的な遺構や自然を楽しんでもらえれば」と話した。(吉沢智美)
皇居・乾通りの一般公開
30日から12月8日までの9日間で、入場は午前9時から午後3時まで。退出は午後3時半まで。入場無料。坂下門から参入し、乾門から退出。坂下門の前で、手荷物検査とセキュリティーチェックを実施する。問い合わせはテレホンサービス(03・3284・6780)