弾劾不成立の余波…韓国KOSPI・KOSDAQが続落
【12月10日 KOREA WAVE】韓国の金融・外国為替市場が、非常戒厳宣言とユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の弾劾不成立という政治リスクの直撃を受け、大きく揺らいでいる。 9日の韓国株式市場でKOSPI(総合株価指数)は前週末比2.78%下落の2360.58、新興市場KOSDAQの総合指数も5.18%急落の627.01で取引を終えた。 7日のユン大統領の弾劾不成立後、初めての営業日となったこの日、韓国の株式市場は大きな動揺の中で始まった。開場直後、KOSPIは2400ポイントを下回り、KOSDAQも650ポイントを割り込んだ。 KOSPIは2023年11月以来、約1年1カ月ぶりの安値を付けた。KOSDAQの630ポイント割れは、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年4月以来、4年8カ月ぶりとなる。 ウォン・ドル為替レートも安定しない動きを見せた。ソウル外国為替市場で、1426ウォンで始まったウォン・ドル為替レートは、午前11時50分ごろには1438ウォンとなった。午後に入って幅をやや縮めたものの、前取引日比17.8ウォンの1437ウォンで取引を終えた。 政府および関連機関は「韓国の経済・社会全般に市場経済システムが正常に機能しており、過去の事例から見て政治的な要因による影響は一時的かつ限定的であり、中長期的には経済への影響はほとんどない」と発表した。 しかし、市場の見解はこれと異なる。 ゴールドマン・サックスのクォン・グフン主任エコノミストは「短期間の戒厳の余波」と題したレポートで、過去の弾劾局面と現在の状況は異なるとした。 クォン氏は「過去の弾劾局面では政治的不安定が経済成長に影響を及ぼさなかったが、それは当時の韓国経済が外部からの追い風を受けていたためだ。しかし、来年の韓国は、中国経済の鈍化や米国の貿易政策の不確実性という外部からの逆風に直面している」と分析した。 韓国銀行のイ・チャンヨン(李昌鏞)総裁は、弾劾局面以上に米国の新政権による経済政策の変化が韓国経済に与える大きな要因になると指摘した。輸出が韓国経済を支えている現状では、グローバルな貿易構造の変化が国内経済に大きな影響を与えるとみられている。 このような状況で、政治的な不安定性というさらなる不確実性が生じたため、2004年のノ・ムヒョン(盧武鉉)大統領(当時)や2016年のパク・クネ(朴槿恵)大統領(同)の弾劾局面とは異なる展開になる可能性が高い。 韓国銀行は2025年の経済成長率予測を1.9%とした。ゴールドマン・サックスはこれをさらに0.1ポイント下回る1.8%と予測している。クォン氏は「来年の韓国の成長率見通しを市場平均より低い1.8%に維持するが、リスクはますます膨らんでいる」と診断した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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