<私の恩人>レイザーラモンRG 叩き込まれた「天龍イズム」
僕がプロレスファンとして天龍さんを見ていた頃から、天龍さんが掲げてらっしゃったのは“どんな小さな会場でも、どんな相手でも、絶対に手を抜かない”ということ。 その天龍イズムを叩きこんでいただいて、じゃ、自分のできることで表すとなるとどうなるのか。地方の営業でネタをする時も、なんなら飲み屋さんで居合わせたお客さんにネタをふられた時も、ありきたりのネタをするのではなく新ネタを考えて入れ込むようにしてますし、ノドが枯れるくらい声を振り絞るようにしています。 もちろん、これはお客さんに喜んでいただくためにやっているというのが大前提なんですけど、やってみて、自分にも良いことがもたらされるもんだなと。というのは、いわゆる大きな仕事でも、緊張しなくなったんです。いつも全力でやるということは、小さなところでも、大きなところでも、いつも同じようにやるということ。だから「今日は大きい場だから緊張するわ…」という感覚がなくなっていったんです。 “お客さんに喜んでもらう”。これは芸人誰もが思うことですけど、僕は天龍さんのおかげで、他の芸人さんよりその気持ちをより一層強く叩き込んでもらっている気がします。 「ハッスル」から離れてからも、天龍さんがやってらっしゃるお寿司屋さんに家族で呼んでもらったり、ことあるごとにお電話ももらいます。最近は、天龍さんがこちら側の領域であるバラエティー番組なんかにも出られるようになって、番組でお会いすると、実にうれしそうな笑顔を見せてくださるんですよね。それが、僕もとてもうれしいんです。 恩返し。これは、僕が売れるしかないですよね。僕がムチャクチャ売れて、MCの番組ができて、そこに天龍さんにスーパーバイザー的にいてもらう。ま、大きなことを言わせてもらうと「スッキリ!!」の加藤浩次さんとテリー伊藤さんみたいに(笑)。 実現するのは、どれくらい先になりそうか?…う~ん、1つ言えることは、天龍さんにはとにかく、とにかく、ものすごく長生きをしていてもらいたいですね…。 ■レイザーラモンRG(れいざーらもん・あーるじー) 1974年6月8日生まれ。 熊本県出身。本名・出渕誠(いずぶち・まこと)。立命館大学在学中は立命館プロレス同好会(RWF)に所属。同志社プロレス同盟にいた住谷正樹と出会い、97年にお笑いコンビ「レイザーラモン」を結成する。今宮子供えびすマンザイ新人コンクール福笑い大賞、ABCお笑い新人グランプリ審査員特別賞などを受賞。2001年、コンビそろって吉本新喜劇に入団する。05年にはHGを名乗るようになった住谷が大ブレークし、出渕もRGに改名。06年からはプロレス団体「ハッスル」に参戦し、天龍源一郎、川田利明らにもまれながら、名勝負を生み出す。市川海老蔵らのモノマネ、音楽に乗せてのあるあるネタなどでピン芸人としても活動している。いずれも大阪・なんばグランド花月で行われるイベント「RGが90分あるあるを歌い続け すっちーが吉田の乳首を90分ドリルし続ける会」(12月10日)、「吉本新喜劇クリスマス特別公演 くまモンからの贈りモン」(同14~18日)に出演する。 ■中西正男(なかにし・まさお) 1974年、大阪府生まれ。大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。現在、関西の人気番組「おはよう朝日です」などに出演中。