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性被害者はなぜバッシング受ける? コロナ危機の今こそ流れを変えよう 専門家

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The Telegraph

【執筆:Jessica Taylor】  かつて刑事司法の現場で働いていた際、レイプや人身売買、虐待などの被害を受けた女性たちが責められるのを目にした。どんな人物なのか、どこに行ったのか、どんな格好をしていたのか、何を飲んだか、いつ警察に通報したか、なぜ男性に抵抗しなかったのか、など枚挙にいとまがない。  勤務先だった性被害者の支援団体レイプ・クライシス・センターは、大勢の女性や少女を支援していたが、そこで疑問に思い始めたのは、なぜ女性や少女たちは、男性からの暴力を通報した後に、あなたは精神的な問題を抱えていると告げられ、薬を処方されるようになるのかということだった。レイプや虐待がどれほどの心的外傷を引き起こすのかを認めるより、女性たちを「異常」と断じる方が簡単だからなのだろうか。  その後、私は児童の性的搾取をなくすために全国的な活動をするようになった。イングランド中部では、人身売買の被害を受けたわずか11歳の少女たちが責任を追及されたことがある。警察に十分な証拠を出さなければ、他の少女たちがレイプされた責任を問うと言われたのだ。  2017年に退職した私は、福祉や司法、メンタルヘルス、支援サービスなど、世界中さまざまな場で起こっている被害者バッシングの風潮を変えるために支援団体「ビクティム・フォーカス(被害者に焦点を)」を立ち上げるとともに、10年以上現場に立って調査を続けた経験を新著「Why Women are Blamed for Everything(なぜ女性はいつも責められるのか)」にまとめた。  被害者バッシングは珍しいことではない。レイプや虐待の被害を受けた女性のうち60%が責められたという統計がある。被害者を責めるのは男性と思われるかもしれないが、これまでの経験から言うと、女性も男性も同程度に、被害女性に落ち度があったのだとして被害者バッシングに加わる傾向がある。  私が行った研究では、女性や少女を責めるのにはいくつかの理由があり、それらは同根だ。女性や少女を責める背景にはミソジニー(女性への嫌悪や蔑視)と性差別主義がある。女性や少女は性の対象物で、男性には服従するべき、性的に注目されていることを喜ぶべき、「いや」と言うのは、わざとつれない態度を取ってみせているにすぎない、男性側を「そそっている」などの考えから来ている。  そうして暴力や犯罪に対しても、問題を個別化して捉え続け、被害に遭った女性や少女を責める。男性による暴力は世界中に蔓延し、男性や少年と共に取り組む必要がある問題と見なすべきなのに、被害を受けた女性個々人に問題を落とし込み、女性側に落ち度があったのだと問題をすり替える。そうすれば男性の暴力を問う必要がない。

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