石破首相は衆参両院の本会議で所信表明演説を行い、国民民主党が主張する「年収103万円の壁」の引き上げなどを表明しました。 石破首相: 先般の選挙で示された国民の皆さまの声を踏まえ、自由民主党と公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう真摯に、そして謙虚に国民の皆さまの安心と安全を守るべく取り組んでまいります。 少数与党として臨時国会に臨む石破首相は演説の冒頭、野党への丁寧な対応を強調しました。 石破首相: いわゆる「103万円の壁」については、令和7年度税制改正の中で議論し引き上げます。 石破首相は国民民主党が強く求める「103万円の壁」の引き上げを表明したほか、今国会の最大の争点、政治改革について「年内に結論を得る必要がある」と強調しました。 石破首相: 国民の政治に対する信頼を取り戻すため党派を超えて議論し、年内に必要な法整備も含めて、結論をお示しする必要がある。 石破首相は、外交では「国益に基づく現実的外交」を掲げ、アメリカのトランプ次期大統領と「率直に議論し、同盟をさらなる高みに引き上げる」と強調しました。 さらに、自治体への地方創生交付金の倍増・防災庁設置を含む災害対策・自衛官の処遇改善など、石破カラーの政策も打ち出しました。 石破首相の演説を受け、立憲民主党・野田代表は「政治改革を推進しようとする意欲、覚悟というものを残念ながら感じることができなかった。本当の抜本的な改革につながるとは思えない内容でした。その点においては極めてがっかりした」と述べたほか、国民民主党・玉木代表は「いわゆる『103万円の壁』については第一歩が記されたということで評価をしたいと思います。ただ、どこまで引き上げるのはまさにこれからということで、まさに第一歩、第一歩に過ぎないと思っております」としました。 また、日本維新の会の馬場代表は、代表として最後の会見で「私は維新がそんなにひどい状況になっているというふうには思っていません。これからまたリスタートしていけると、そういう状況だと思いますから。9年間のことが走馬灯のように、頭を回っているという状態ですね」と述べ、涙を見せる一幕がありました。 馬場代表は12月1日に行われる代表選挙に立候補せず、退任します。