ESGで投資家欺くな、SECがファンド新規制案-正確な開示求める
(ブルームバーグ): 米証券取引委員会(SEC)は、 ESG(環境・社会・企業統治)重視をうたうファンドが投資家を欺くことがないよう規制を強める方針だ。
SECは25日、ESGファンドに投資内容を正確に開示させることを目指す新規制を提案した。一部のファンドでは投資先企業の温室効果ガスの総排出量開示も必要になるという。
ESGを冠した上場投資信託(ETF)やデリバティブ(金融派生商品)が増える中、サステナブル投資の一貫した基準がない現状を巡り懸念が強まっている。バイデン政権下でSECは、この問題に取り組んできた。
ゲンスラー委員長は発表資料で「資産運用会社のESG戦略をどのデータが裏付けているかを投資家が理解し、正しい投資先を選べるように、一貫性があって比較可能な情報を公開するのは重要だ」と論じた。
新規制の一環としてSECは既存のルールを広げ、ESG戦略をうたうファンドが運用資産の80%以上を同戦略に確実に合致させるよう求める。投資戦略に関する一段と標準化された情報開示も検討している。これらを通じてファンドの投資先のほか、気候変動や社会問題に対処する全体戦略を投資家がより良く理解できるようになると期待される。
SECは最長60日の意見公募期間を設け、最終決定に向けた採決前に提案を修正する可能性がある。
原題:SEC to Crack Down on Misleading ESG Claims With Fund Rules (1)(抜粋)
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Lydia Beyoud, Saijel Kishan