男子開幕戦といえば、かつては強い海風が名物の「静岡オープン」だった【ゴルフ初物語】
男子ツアーの国内開幕戦といえば「東建ホームメイトカップ」だが、かつては男子開幕戦といえば「静岡オープン」だった。
1972年に後援競技として静岡CC島田GCでスタートした静岡オープン。73年に男子ツアー制度が施行されると、翌74年の第3回大会からは会場を静岡CC浜岡Cに移し、公認競技として新たにスタートした。そして79年の第8回からは3月開催になり男子ツアーの開幕戦となった。 だが、春先の浜岡コースは西からの強い海風が名物。記念すべき大会も初日から強い風が吹き、2日目には最大瞬間風速26メートルを記録。雨量も100ミリを超え午後1時10分に試合中止となり54ホールの短縮競技に。3日目(事実上の2日目)も、雨こそ上がったものの風速17メートルの突風が吹き、多くの選手がスコアを崩し、出場選手の半数以上が80台を叩く悪コンディション。そんななか身長172センチ、体重50キロと超軽量の矢部昭が「75」で3位に浮上。最終日は矢部と野口茂の一騎打ちに。優勝争いは最後までもつれたが17番で6メートルを沈めバーディとした矢部が1歩抜け出し優勝。矢部は前年のくずは国際トーナメントに続く2年連続開幕戦勝利だった。
90年には開幕戦の座こそ第一不動産カップに譲ったが、大会はダイドードリンコ静岡オープンとして2002年まで続けられ、歴代優勝者には青木功、中嶋常幸、尾崎直道、田中秀道らが名を連ねている。 浜岡コースは19年から1年半かけて「オープンドクター」の異名をとるリース・ジョーンズが36ホールを全面改修。美しい景観と新たな戦略性が加えられた。女子ステップ・アップ・ツアーのユピテル・静岡新聞SBSレディースが16年から開催されているが、静岡オープンと同じ小笠1~4番、10~13番、18番と、高松10~18番を組み合わせた“チャンピオンコース”で行われている。 週刊ゴルフダイジェスト2月8日号より