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「沖縄踏みにじった」「国策だから」辺野古移設、進む住民分断

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西日本新聞

移設反対派・西川征夫さん 民意をカネで翻弄

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古は3日、静けさに包まれていた。新型コロナウイルスの影響で移設反対派は抗議活動を自粛。埋め立て工事も台風9、10号のため中断していた。 【画像】「米軍普天間飛行場の辺野古移設」を巡る第2次安倍政権の主な動き  「工事が止まるとなんとなく心は穏やか。どうせすぐに再開されるだろうけど」。移設に反対する辺野古区の西川征夫さん(76)はぽつりとこぼす。そして「辺野古はカネに翻弄(ほんろう)された。ある意味、政権はうまくやったってことさ」と皮肉った。  1996年に当時の橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使が普天間飛行場返還で合意。本島東海岸に代替施設を建設することが条件として浮上したころから辺野古区は移設に反対し、反対決議も採択した。  ところが、政府が地域振興策をちらつかせると、「50~70年代にベトナム戦争で基地バブルを経験した長老たちが、そそのかされた」。民主党政権では鳩山由紀夫首相が「最低でも県外」と言ったかと思えば、結局辺野古に回帰した。辺野古区は、個別補償という「条件付きの容認」に傾く。  2012年12月に第2次安倍晋三政権が誕生すると「アメとムチ」の使い分けは一層強まる。  民主党政権は移設反対派の市長が誕生した10年、市への再編交付金を凍結。安倍政権は15年、市の頭越しに辺野古など3区に対する交付金を創設し、集落には集会所など「箱もの」が造られる。18年に現在の容認派市長が就任すると市への交付金を再開した。  反対すればカネが落ちなくなる-。反対派と容認派の分断が進んだ。「安倍首相は『地元に寄り添う』と口癖のように言うが、自分に反対しない地元にだけ寄り添う」。しんみりと語った。「基地のカネは麻薬さ」  こうして、安倍政権は「地元は容認」という構図を固めた。埋め立ての是非を問う昨年2月の県民投票で7割が反対票を投じても「『地元』を都合よく使い分けて工事を強行することは見えていたし、きっと完成するさ」。「ただ」と強調する。「沖縄を踏みにじったことは事実。この歴史は残る」

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