「組織化が進んでいる」「客の中に刑事がいた」摘発店の関係者が明かす『令和の闇スロ』驚愕の内情
パチスロ業界では、昔から「裏物の聖地」と呼ばれている兵庫県尼崎市。この尼崎で違法スロット店を営業し、常習的に賭博をさせたとして、闇スロットの経営者ら8人が逮捕されたのは6月13日のことだ。兵庫県警尼崎南署などは97台のスロットなども押収し、運営実態の全容解明を調べているという。 【画像】すごい…! 違法闇スロ店が送っていた「勧誘メール」実物写真 闇スロ今も日本各地の歓楽街に存在する。今年に入っても岡山県や千葉県など各地で摘発が相次ぎ、7月には長野県でも8名が現行犯逮捕された。その中には指定暴力団・山口組の組員が含まれ、反社会的組織への資金源になっていた疑いも持たれている。そんな違法賭博の最新事情について、兵庫県・尼崎市で摘発された闇スロに出入りしていたというA氏が内情を明かした(以下、「」内のセリフはすべてA氏)。 「摘発があった闇スロ店は、3ヶ月前にオープンしたばかりの新規店です。オープンしてすぐに摘発されたように感じるけど、摘発された店舗と目と鼻の先にも1年半前から闇スロがあった。実はこの店舗、同一店。 というのも、闇スロへの入店はケータイ番号を登録する義務があるんやけど、3ヶ月ぐらい前に知らないケータイ番号から、『移転しました』とショートメールで報告があった。闇スロは摘発が怖くて移転するのは普通なんやけど、今回は警察にもバレバレやったみたいで、それで捕まったと聞いてます」 摘発しても再び、また別の場所でオープン。闇スロが根絶できない原因は、一部からの熱狂的なファンがいるからである。‘00年代初頭、爆発的な連チャンをするATやSTと呼ばれる4号機がホールを席巻し、「100万円買った」「20万円負けた」という逸話が当たり前のように流れる時代だった。 時代は変わっても、4号機を懐かしんで、闇スロに通う客も多いようだ。今年6月には歌舞伎町で一般的なスロットの「25倍」となるメダル1枚500円という高額レートで運営されていた裏スロの存在が話題になった。 「店のレートは1枚20円の一般的なものから40円と100円の3種類。台数で言うと、20円が15台、40円が50台、100円が20台ほどあったんちゃうかな。あとバカラとブラックジャックが1台ずつ。客層はバラバラやった。 半グレ系から地元企業のお偉いさん、土木、建設系の人たちまで。一番驚いたんはその中に刑事もいたこと(笑)。内定捜査の可能性もあるけど、どうやったんやろ。1日で100万円も勝つヤツもおれば、1日で4~50万円負けるヤツもザラやったな」 集客も、かつてのような露骨な客引きは行なっていなかったという。 「キャッチやビラまきは一切やっとらんかった。昔は大阪のミナミで堂々と客引きしとる闇スロなんかもあったんやけど、今はそんなリスクは取らんのやろ。出入りしとった店は、1人につき5000円~2万円の紹介料を支払って、客を連れてきてもらっとった。 来店した新規客にも5000円分の無料コインをプレゼントしてくれたりね。会員登録にはケータイ番号が必須で、来店するとドアのチャイムを押して、電話で確認があって、やっと中に入れる。この辺りの方法は、令和になってもあんまり変わっとらんね」 アナログな方法だと摘発リスクが低いためか、A氏によると平成から令和に移っても闇スロ業界には大きな変化はなかったという。それでもLINEのメーリス機能が導入されるなど、細かい変化は多かった。 「スタッフの時給は1500円と言ってたわ。店は夕方の6時から翌日の正午まで営業しとったね。いくら日に稼いだとか、はっきりとは知らんけど、感覚的に1日150万円の利益はあったんちゃうかな。月に4500万円の利益やったらええわな」 目も眩むような大金が蠢く違法賭博の世界。高額なリターンを求めて足を運ぶ客が後を立たないのは、令和になっても変わらない。A氏は最後にこんな事も教えてくれた。 「店員と仲良くなって色々と教えてくれたわ。摘発された店舗の本部は横浜にあったみたい。店舗も横浜と尼崎、さらに沖縄にもあって、姫路店も近々オープンする予定って言ってました。組織化すれば、一店舗が摘発されてもそんなに問題あらへんからね」 闇スロは利用するだけでも賭博罪や常習賭博罪で逮捕される対象だ。目先のカネ欲しさに出入りすることは、やめておいたほうがいいだろう。
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