高利回りの罠も「年4回分配金がもらえる投資信託」17本利回りランキング!SBIと楽天でバカ売れ【新NISA応援】
「設定日と基準価額も見てください。上位は運用開始から10年以上経過したものが大半ですが、基準価額がすべて1万円前後。つまり最初の水準からほとんど変わっていないわけです」 値上がり益と配当の大半を分配しており、元本は増えない感じか。3カ月ごとに「増えた分」をまるっと受け取るイメージ。年4回以上の分配金を出すタイプで、異常に分配金利回りが高い投信の罠……というか知っておいてほしい点がこれだ。分配金が入ってくるとうれしいが、元の資産が成長しづらく、長期の資産形成には微妙。 上位10本の信託報酬が軒並み高めな点も気になる。信託報酬0.9%未満で絞り、改めて分配金利回りの高い順に並べると景色が一変した。 1位が「SBI・iシェアーズ・米国ハイイールド債券インデックス・ファンド」、分配金利回り6.68%。ハイイールド債という点が万人に推せないのでサラッと流すが、2位以降も利回り5.55~1%台の年4分配投信で、計17本。そのうち12本は信託報酬0.2%以下。分配金の原資は原則として組み入れ資産からの配当だ。値上がり益からはできるだけ分配しないことで「分配金をもらいつつ資産の成長も狙う」投信が多い。SBIの投信が目立つが、やらせではない(信じてほしい、本当はもっとバラエティー豊かなランキングを載せたかった)。低コストの年4分配という探し方をすると、どうしてもこの結果になるのである。とはいえ運用会社側には「年4分配で信託報酬が低いと売れる」ことがインプットされたはず。今後、いい意味での競争激化を期待する。 (経済ジャーナリスト・向井翔太/編集部・中島晶子) ※AERA 2024年12月23日号
向井翔太,中島晶子