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コロナ後に「日本人の生活水準」を下げない秘策

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東洋経済オンライン

オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。 退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大、特に中堅企業の育成を提言している。 【図表・グラフ】これが中小企業の実態だ!

今回は、従来の「中小企業支援」のあり方が抱える「大問題」を解説してもらう。 ■生産性を高めないと日本人の生活水準は劇的に低下する 先日発表した「コロナ禍『企業援助と財政再建』を両立する方法」という記事では、なぜ日本が経済政策を変えるべきなのかを説明しました。  GDPは「人口×生産性」で決まります。日本は今後何十年にもわたって人口が減少するので、減ることのない社会保障費を負担し続け、制度を維持するためには、生産性を高めるしかありません。

 生産性を上げていかないと、日本人の生活水準は劇的に低下します。これだけは断言できます。  日本は国際競争力が大変高く評価されています。しかしながら生産性は、先進国の中でも最低レベルの世界第28位です。 このように日本の生産性が極めて低くなってしまっているのは、とことんまで突き詰めて分析すると、ほとんどの日本企業の規模が極めて小さいからだという結論に行きつきます(参考:「日本は生産性が低い」最大の原因は中小企業だ)。日本の生産性が低い根因は、企業の平均規模がアメリカの6割、欧州の4分の3しかないからです。

 日本には小規模事業者が305万社もあります。これら小規模事業者の平均従業員数はたったの3.4人です。また中堅企業のカテゴリーの企業でも、日本の場合、平均従業員数はたったの41人です。これはEU28カ国平均の104人を大きく下回っています。 ■中小企業の定義を「500人未満」に引き上げるべき このように小さい企業ばかりになってしまった理由の1つは、国の政策にあります。日本では中小企業が非常に小さく定義されているうえ、手厚く優遇されてきたため、中小企業に人的資源が集中してしまい、中小企業が増えたのです(参考:コロナ禍「企業援助と財政再建」を両立する方法)。

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