Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

工藤遥「何度も壁を超えてきた」11歳でのモー娘。加入から『のぼる小寺さん』で初主演を飾るまで

配信

MOVIE WALKER PRESS

女優の工藤遥が、珈琲原作の人気コミックを実写映画化した『のぼる小寺さん』(7月3日公開)で待望の映画初主演を飾った。2017年、「女優になりたい」とモーニング娘。を卒業したあと、スーパー戦隊シリーズ「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」のルパンイエロー役で女優として滑りだしは順調だった工藤。だが、勝負はこれから。本作で“ネクストブレイク女優”の輝きを感じさせる工藤に単独インタビューを敢行した。 【写真を見る】工藤遥と伊藤健太郎の胸キュンシーン! メガホンをとったのは、長澤まさみ主演の『ロボコン』(03)や、成海璃子、北乃きい共演の『武士道シックスティーン』(10)などで、若手女優のフレッシュな魅力を引きだしてきた古厩智之監督。ボルダリングを題材にした本作でも、工藤が秘めていた女優としてのポテンシャルを余すことなくスクリーンに映しだした。 満を持しての映画初主演について、感想を聞くと工藤は「とにかく衝撃でした」と、興奮気味に語った。「モーニング娘。を卒業した時、主演なんて夢のまた夢で、何年かかるんだろうと思っていたのに、こんなに早くお声がけをいただけるなんて、なにかの間違いかと思って、本当にびっくりしました」。 工藤が演じるのは、高校のクライミング部に所属する、ボルダリングに夢中な女子高生、小寺(こてら)さん。彼女は常にひたむきで、トレーニングに余念がない。その頑張りを見て、次第に感化され、惹かれていくクラスメイトの近藤役を、『今日から俺は!!劇場版』(7月17日公開)が待機中の伊藤健太郎が演じるほか、鈴木仁、吉川愛、小野花梨ら若手新進俳優陣が共演した。 ■「ボルダリングは、嘘のないシーンを目指しました」 本作で特筆すべき点は、ボルダリングのシーンが、見ていて引き込まれるほど美しいことだ。工藤は撮影期間含めて約4か月間の猛特訓を経て、見事に難易度の高いボルダリングのスキルをマスターした。 「最初に古厩監督から『ボルダリングのシーンはなるべく吹替えなしでやりたい』と言われました。小寺さんは、東京都のボルダリング選手権で2位を獲るくらいすごく強い選手ですが、『同じくらいのレベルまでいきたい』と」。 これは無茶ぶりにも思えるほど。 「その時、すごく難しい要求をされるなと思った反面、それだけ期待してもらっていると感じたので、ただただ一心不乱に練習しました。東京2020オリンピックから、スポーツクライミングが正式種目になったし、ボルダリングをされている方や注目されている選手の皆さんが見ても、嘘のないシーンを目指すこと。そこは監督やボルダリングの先生とも常々話し合いました」。 伊藤が演じた近藤は卓球部員ということで、伊藤も卓球の猛練習を行って撮影に挑んだそう。 「監督はスポーツのシーンになると、なかなかカットをかけてくれません。とにかくボルダリングと卓球のシーンは両方カット数が多かったので、2人ともガチで汗をかいて、ハアハア言いながらやっていました」。 小寺さんと近藤との初々しいやりとりも胸キュンだ。 「実は、小寺さんと近藤は一緒にいるように見えて、劇中での会話はすごく少ないんです。小寺さんは、近藤に見つめられていても気づいていないし。共演シーンが増えていき、伊藤さんとはすぐに仲良くなれたのですが、逆にキャラクターとしての距離感はなかなか縮まらない。そのおもしろさはありました。お互いに、あと一歩が踏み込めないという絶妙な距離感がすごく歯がゆいというか、ピュアさがにじみでていて、小恥ずかしかったです(笑)」。 いい意味で容赦のない古厩監督。ボルダリングのシーンでは「出来るか出来ないかギリギリの要望」を出されたが、工藤は持ち前のド根性と負けん気で、果敢に食らいついていった。 「特に、ホールドからホールドへ飛び移る技が難しかったです。跳ぶのが怖いし、腕力も必要です。もちろん、プロが見たら、飛んだり跳ねたりしていない場面のほうが難しいと言われるかもしれないですが、やはりボルダリングの派手さやスポーツとしてのすごさを見せるには、どうしてもあの技が必要でした」。 そのシーンだけは、トライし続けるものの、心が折れそうになったこともあったそう。 「監督に何度も『これだけは、本当にできないかもしれないです』と言いました。例えできなくても、すごそうに見える別の方法を取ってくれるのではないかと、甘い期待を抱いていたのですが、監督からは変わらず『跳べ』と言われました。その後、諦めずに練習した結果、なんとかやれたんです。漫画にもありますが、周りから『頑張れ!』と声をかけてもらって、その声に助けられた気がします。できた時は、本当に皆さんに感謝しました」。 ■「新しいことに挑戦することには、当然リスクが伴いました」 小寺さんのがむしゃらさは、工藤のパブリックイメージと重なる。工藤は、モーニング娘。に史上最年少である11歳で加入して以降、常に元気印のアイドルであり続けた。 「小さいころから芸能界で活動をさせてもらってきたなかで、何度も壁にぶち当たりました。でも、なんとかやってこれたのは、壁を乗り越える時に、必ず同じ境遇の仲間がいたし、自分に声をかけ、手を差し伸べてくれる人がいてくれたから。本作には、自分がいままで生きてきた人生に置き換えられるような場面が、いくつかあった気がします。これまで、努力をしても、なかなか結果が出なくて、思い通りにいかないなと思ったこともいっぱいあったけど、そういう時もただただ頑張ってきて良かったなと、いまは思えます」。 18歳で女優へとシフト変更をした工藤。「いままでアイドルとしてやってきたことをすべて置いて、新しいことに挑戦することには、当然リスクが伴いました。自分としてはいろいろ考えて選んだ道ですが、やはりアイドル時代にお芝居を経験させてもらった時、自分とは違う人の人生を生きるという女優のお仕事が、とても楽しいと思えたんです」。 また、「もちろん、これからも自分がどういうポジションでやっていけばいいのかということは考えなきゃいけないと思いますが、一番忘れちゃいけないのは、ただただ、演じることが好きだということ。小寺さんと同じで、シンプルに好きだからやりたいし、今後もずっと続けられると、確信しています」とキッパリ言う。 劇中ではドストレートな声援「ガンバ!」という掛け声があちこちで連呼される。昨今は、すでに頑張っている人に対して「頑張れ」と声をかけることに躊躇してしまうという声もよく聞くが、本作の小寺さんを見ていると、そんな迷いは払拭され、頑張っている人に心からエールを贈りたくなる。 「一生懸命に頑張る姿って、本当にかっこいいし、キラキラしていると思います。そしてその頑張りは、本当に裏切らないなと、この作品を通して改めて感じました。『頑張れ』ってありきたりで単純な言葉かもしれないけど、そこに込められた想いは絶大なものです。また、ちゃんと口に出していくことって大事だなとも痛感しました。そういうことが、この映画を通して伝わっていけばうれしいなと思います」。 取材・文/山崎伸子

【関連記事】