【セントライト記念展望】春の実績馬と上がり馬の激突もアーバンシックとコスモキュランダが優勢
[GⅡセントライト記念=2024年9月16日(月曜)3歳、中山競馬場・芝外2200メートル、菊花賞トライアル] 秋競馬2週目は中山と中京で14~16日の3日間開催。中山では3日目の16日(月=祝)にGⅡセントライト記念が行われる。3着までにGI菊花賞(10月20日=京都芝外3000メートル)の優先出走権が与えられるトライアルレース。春の実績馬と夏の上がり馬が顔を合わせる注目の一戦だ。 主力を形成するのは、やはり重賞戦線をにぎわしてきた実績馬。中でもコスモキュランダ(牡・加藤士)はGⅡ弥生賞勝ち、GI皐月賞2着の戦歴が光る。GIダービーはスタートで後手に回ったことが響いて6着に終わったが、悲観するような内容ではなかった。1週前追い切りは美浦ウッドで迫力ある動きを見せており、中山コースも<1・3・0・1>と実績豊富。レコード決着の皐月賞で好走した点は、先週の高速馬場を踏まえると頼もしい。管理する加藤士調教師には、GⅡ紫苑S(クリスマスパレード)に続く2週連続のトライアルGⅡ勝ちがかかる。 対抗格のアーバンシック(牡・武井)はGⅢ京成杯2着、GI皐月賞4着。コース実績に不足はない。ただ、前走のダービーでは見せ場なく11着と大敗。距離適性を占う意味でも、陣営は今回を試金石の一戦と位置付けている。ルメールとの初コンビでどんなレースを見せるか興味深い。 ブービー人気のダービーで果敢にハナを切り、8着に奮闘したエコロヴァルツ(牡・牧浦)。2歳夏のコスモス賞以降、勝ち星から遠ざかっているものの、一線級を相手に全て1秒以内の着差に踏ん張っている。1週前追い切りは栗東ウッドで岩田康を背にハードに追われ、古馬オープンのタイセイブレイズを大きく追走して1馬身先着した。調整過程に不安はなく、ここで重賞初Vを狙う。 福島のGⅢラジオNIKKEI賞で3着だったヤマニンアドホック(牡・辻)は、中山芝で<2・1・0・0>のパーフェクト連対。距離は未知数だが、逃げても控えても競馬ができる点は強みだ。開業4年目の辻調教師は、7度目の重賞挑戦で初めての勝利を狙う。 上がり馬の中で目を引くのはスティンガーグラス(牡・木村)だ。前走の新潟芝2400メートル戦では、好位追走から楽に抜け出して5馬身差の圧勝。2歳女王で重賞6勝をマークしたダノンファンタジーの半弟が、本格化ムードを漂わせている。新コンビの武豊は意外にもこれまでセントライト記念に3度しか騎乗歴がなく、3着が最高。デビュー38年目で新たな重賞タイトルを手にすることができるか。 アスクカムオンモア(牡・藤原)は未勝利戦V直後にプリンシパルSへ挑戦し、僅差の3着と素質を示した。続く前走の1勝クラスでは初の古馬相手ながら2馬身半差で完勝。母がGI秋華賞3着、GⅢマーメイドS勝ちのマキシマムドパリという血統で、1歳時のセレクトセールでは1億3500万円(税抜き)の高額で落札された素質馬だけに、戸崎圭との新コンビで期待がかかる。 この他にもGⅡスプリングS3着の実績があるルカランフィースト(牡・鹿戸)、札幌の2戦に成長がうかがえたタンゴバイラリン(牡・栗田)、重賞、オープンでも大崩れのないエコロレイズ(牡・岩戸)などがエントリー。菊花賞切符をかけた激しい戦いが、3日間開催のラストに繰り広げられる。
東スポ競馬編集部