GIIでの単回収率は128% 川田将雅騎手の「買える条件、買えない条件」
スランプなく自己最高成績
先週日曜は中京競馬場でGII・東海Sが行われた。水の浮くダートコースでの一戦は1000m通過タイムが59.3秒というタフな展開となった。4コーナーから手応えが怪しくなり大敗を喫したインティを尻目に、道中は番手で運んだオーヴェルニュが直線堂々と抜け出して快勝、スマートファルコン産駒としてJRA重賞初制覇を飾った。 【シルクロードS・根岸S 2021予想】京大、東大式!中京は馬場が大荒れ!得意とする3頭とは? オーヴェルニュの鞍上は川田将雅騎手。東海Sの勝利でJRA重賞勝利連続記録を16年に伸ばすなど、そつのない騎乗ぶりでリーディング上位を堅守するトップジョッキーだ。今週のコラムでは川田騎手の騎乗成績を分析し、おいしい馬券を演出してくれる条件と消しで勝負したい条件を紹介していく(使用するデータは2016年~2020年)。 まずは2020年の川田騎手の成績を振り返る。ブラストワンピースでのAJCC制覇を含む1月19勝とスタートダッシュに成功し、2月には前月をさらに上回る21勝と驚異的なペースで勝ち星を量産した。その後は勝率こそ落ち着いたものの目立ったスランプもなく、自己最高となる年間167勝でフィニッシュ。2年連続でルメール騎手に次ぐ全国リーディング2位につけた。 重賞では金鯱賞(ロードマイウェイ10着)から小倉記念(サトノルークス11着)までの約5ヶ月間【0-1-1-21】と不振を極めていたが、9月以降は【7-3-6-11】と復調をアピール。GIは惜しいレースがありながら勝ち切れず2013年以来の未勝利が濃厚になるも、12月の朝日杯FSをグレナディアガーズでレコードV。返す刀で翌週のホープフルSでも大本命ダノンザキッドを勝利に導いた。
中内田厩舎×川田騎手はやはり金脈
続いてより条件を細かく設定し、川田騎手を「買える条件」をピックアップする。幼少期からの付き合いで知られる中内田充正調教師とのコンビは競馬ファンにも知れ渡っており、複勝率54.3%に加え単勝回収率も92%と水準以上の結果が出ている。 このコンビの狙い目は1200m・1600m戦で、当該条件では単回収率134%、直近5年は毎年100%を超えている。機械的に単勝を買うだけでプラスが見込めるありがたいデータとあって、見かけたら果敢に頭固定で仕留めたい。その他継続騎乗の場合も単回収率107%と好調だ。 ポジションを取っての好走が多いイメージの川田騎手だが、芝で「前走先行した馬」に騎乗した際は675回の騎乗がありながら単勝回収率101%と見事な数字。さらに昇級戦(同119%)、3勝クラス以上(同117%)、1・2枠(同176%)など、細分化するといい条件がいくつも出てくる。前で運べる馬に騎乗した場合は踏み込んで買うと良いだろう。 ダノックス所有馬で勝ちまくっていることもあり、クラス別ではGIIの回収率が抜けている。全体の単回収率は128%(ソルヴェイグでのフィリーズレビュー単勝27.2倍の一撃が効いている)だが、3番人気以内に限定しても依然同120%。無理に穴馬から振り回さなくても収支が安定する。今年もオーヴェルニュで先週の東海Sを勝っており、GIの前哨戦ではまず軸として検討したいジョッキーだ。