『江戸川乱歩の美女シリーズ』最終作…杉本彩が妖艶な美女役として登場 「みだらな喪服の美女」のあらすじと見どころに迫る
西郷輝彦さん主演、杉本彩共演で描かれる江戸川乱歩原作のサスペンスドラマ「みだらな喪服の美女」が、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)で12月1日(日)昼3時より放送。本記事では、「江戸川乱歩の美女シリーズ」の第33作目で最終作でもある本作の見どころやストーリーを紹介していく。 【写真】後ろから抱きしめられる杉本彩“瑠璃子” ■美女たちの官能シーンや痛快アクションが満載の「江戸川乱歩の美女シリーズ」 名探偵・明智小五郎が、抜群の推理力と華麗な変装で複雑怪奇な難事件を解決していく本シリーズ。 美青年が餌食になる“人間標本製造機”や人間を襲う“時計台の歯車”など、創意工夫を凝らした奇抜なセットがたびたび登場し、その精巧なつくりに感心させられる。また、ド派手なカーアクションや、ヘリコプターを使った手に汗握る脱出劇など、サスペンスドラマとは思えないような迫力満点のアクションシーンも見どころだ。 そして“大人向けの作品”として、毎話登場する美女たちの妖艶なシーンも見逃せない。由美かおる、片平なぎさ、萬田久子ら名だたる女優ふんする“美女役”の入浴シーンや、明智を雰囲気たっぷりに誘惑するシーンなど、思わず目が釘付けになる描写が散りばめられている。 今回の「みだらな喪服の美女」で美女役・大牟田瑠璃子を演じるのは、女優の杉本彩。1987年にキャンペンガールとしてデビューすると、女優、グラビアアイドル、歌手として幅広く活躍する。近年ではドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」(2021年、TBS系)や、映画「いまダンスをするのは誰だ?」(2023年)などに出演している。 ■夫の遺産目当てで罪を重ねる美女の行方は…?「みだらな喪服の美女」あらすじ 長崎県平戸。大牟田敏清と妻・瑠璃子(杉本)、友人の川村は3人で滝を見に来ていた。敏清が滝の上から瑠璃子に手を振ると、突然足場が崩れ敏清は転落死してしまう。敏清の葬式および土葬がおこなわれたが、実はこの一連の出来事、不倫関係にあった瑠璃子と一緒になろうと川村が事故に見せかけて仕組んだことだった――。 敏清の死後、彼の絵画コレクションを画商の山野に売ろうとした2人は、山野に疑いの目を向けられる。“山村を始末しなければ…”と考えた川村は、あえて目撃者のいる前で山野を殺すため、美女に弱そうな探偵を利用しようと瑠璃子に持ちかける。こうして明智(西郷さん)に白羽の矢が立った。 そうして明智は“絵の取引に立ち会ってほしい”と相談する瑠璃子と一緒に、山野との商談を行うホテルへ向かうことに。すると突然、何者かの銃撃によって山野は即死してしまう。警察の見立てによると、山野はホテルの向かいにあるビルから狙撃されたという。そんな中、実は明智は“瑠璃子に利用された”ことに気付いており、単独で事件の捜査を続けることに――。 再び舞台は長崎。敏清の遠い親戚を名乗る里見という男が現れる。里見はブラジルにダイヤモンド鉱山を持っており、瑠璃子にルビーの指輪を渡した。そして敏清の墓参りをしながら、遺産相続で揉めている瑠璃子に“自分は味方だ”と告げる。 一方の明智は、大牟田家のかかりつけ医に会いに行き、敏清の死亡届が“病死”になっていること、瑠璃子が5カ月ほど別荘に療養に来ていたことについて尋ねる。医師は、瑠璃子が司法解剖を避けたいがために病死としたことや、内股にできた“おでき”を治すため療養していたことを話す。すると明智は、病院の窓からこちらを覗いている“とよ”という女性を見つける。 とよに接触した明智は、“実は瑠璃子は妊娠していたのでは?”と問いかけると、突如逃走。とよは港の船着き場からボートに乗って脱走を試みるが、満潮になった海の波は激しく、とよはボートから転落してしまうのだった…。 その頃、大牟田家では遺産に関する会議が行われていた。会議に参加していた里見は、相続の話は自分に任せてほしいとその場を収める。また、里見の別荘に案内された瑠璃子は、彼のコレクションの宝石をもらう。2人が別荘で談笑していると、そこに明智が現れ――。 ■「宝石の美女」とは違う視点で物語が展開していく“美女シリーズ”最後の作品 本作は20年近く続いた「美女シリーズ」最後の作品で、江戸川乱歩の原作『白髪鬼』をベースにしている。そして同シリーズにおいて、『白髪鬼』を原作に置いたのは2回目となる。 1回目にあたるシリーズ7作目「宝石の美女」は里見を中心に描かれており、彼の人生や視点にフォーカスが当てられていた。それに対し本作は、明智が事件の真相を追い求める様子を中心に描かれている。同じ原作ながらも演出を明確に差別化したことで、新たな見どころや作風を獲得している。 また、シリーズ最後の美女役・杉本彩の存在感も大きい。歴代の美女は大人しく儚いイメージを持つキャラクターが多かったが、杉本演じる瑠璃子は美しくも強欲で、ときに俗っぽい言葉を発することも。明智がとよと接触した後、とよが邪魔になった川村は瑠璃子に「とよを始末した」と告げる。そんな川村を抱きしめて「よしよし、いい子だ」とささやきかける瑠璃子の眼には、底しれぬしたたかさが宿る――。 物語はクライマックスまで長く愛され続けた「美女シリーズ」らしさを追求しており、まさにフィナーレを飾るにふさわしい逸品といえるだろう。