春秋航空日本、成田-南京就航 隔週運航、防護服姿の旅客も
春秋航空日本(SJO/IJ)は1月22日、成田-南京線の運航を開始した。当面は隔週の金曜のみの運航で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の需要拡大を見込む。南京就航により、同社の国際線は7路線となった。初便は9割以上が中国人で、防護服を着用する利用客もみられた。 運航スケジュールは各日共通で、南京行きIJ125便は成田を午前10時35分に出発し、午後1時40分に着く。成田行きIJ126便は午後2時40分に南京を出発し、午後6時30分に到着する。3月27日までの冬ダイヤ期間は5往復運航し、1月22日のほかは2月5日と19日、3月5日と19日に設定する。機材はボーイング737-800型機(1クラス189席)を投入する。 中国の航空当局CAAC(中国民用航空局)は現在、航空各社に対し搭乗可能な座席数を上限75%に制限している。春秋航空日本の場合、上限は141席となる。 初便となった22日の南京行きIJ125便(737-800、登録記号JA06GR)は、116人(幼児なし)が利用。このうち110人は中国籍で、日本に在留資格のある中国人が中華圏の旧正月休暇・春節を前に帰国するために利用した。全員がマスクを着用したほか、個人で用意した防護服姿の旅客もみられた。 初便の利用客には、同社の樫原利幸社長らが記念品を手渡した。同便は成田空港154番スポット(駐機場)を午前10時34分に出発し、放水アーチで見送られた。その後、同54分に成田空港B滑走路(RWY34R)を離陸した。 初便出発後、同社営業本部と経営企画本部で本部長を務める武村栄治執行役員が取材に応じ、コロナ禍で新規就航した理由について、在日中国人の帰国需要と、南京政府から「権益」(発着枠)を獲得できたことを挙げた。また、現在は隔週運航だが、コロナ後は1日1往復のデイリー運航を目指すとした。 春秋航空日本は中国最大のLCCである春秋航空(CQH/9C)の子会社で、成田空港が拠点とする日本の航空会社。南京線開設前の国際線は6路線で、ハルビンと上海、武漢、重慶、寧波、天津に就航している。このうち運航しているのは週1往復のハルビンと、隔週運航の天津の2路線のみで、残り4路線は新型コロナの影響により運休が続いている。 南京は中国東部・江蘇省の省都で、経済や研究開発、文化芸術の拠点都市としても知られている。春秋航空日本の中国東部路線は寧波と上海に続き3路線目となる。
Yusuke KOHASE