拉致問題「決して諦めない」 即時帰国求め、国民大集会 東京
北朝鮮による拉致被害者の即時一括帰国を求める「国民大集会」が23日、東京都内で開催された。 拉致被害者家族会などが主催し、石破茂首相も出席。拉致被害者の横田めぐみさん＝拉致当時（13）＝の弟で家族会代表の拓也さん（56）は「決して諦めない」と早期解決を訴えた。 石破首相は、2002年にめぐみさんの死亡報告を受けた母早紀江さん（88）が「私は信じない」と叫んだというエピソードに言及。「私のこの問題に取り組む原点になっている」と話し「政府としてどのように北朝鮮と向き合うべきかもう一度よく検証し、方策を考え、実現に向けて努力する」と力を込めた。 拉致被害者の親世代で存命なのは、早紀江さんと有本恵子さん＝同（23）＝の父明弘さん（96）の2人のみ。拓也さんは「親世代が元気なうちに被害者と再会できるようお願いしたい。再会できるまで力を貸してください」と訴えた。 拉致被害者の曽我ひとみさん（65）は、消息が分からない母ミヨシさん＝同（46）＝について「私が看護師の勉強を始めたころ、合格を祈って毎日お宮参りをしてくれていたと聞いた」と語り、「優しく心の温かい母と半世紀近く一度も会えないなんて、悔しくてたまらない。少しでもいいので親孝行をする時間を与えてください」と悲痛な胸の内を明かした。
