アルミ缶リサイクル率、21年度は2.6ポイント上昇の96.6%。過去2番目の高水準
2021年度のアルミ缶リサイクル率は前年度比2・6ポイント上昇の96・6%だった。2年ぶりの前年実績超えで、過去最高だった19年度実績に次ぐ2番目の高水準だった。使用済みアルミ缶の輸出減少により国内再生利用量が大きく増加。また製造業のカーボンニュートラルの取り組み加速を受けて、リサイクル意識が高まっていることもリサイクル率上昇の後押しとなったもよう。 アルミ缶リサイクル協会(理事長・花房達也・ユニバーサル製缶社長)が17日発表した。リサイクル率は国内で回収されたUBC(輸出向け含む)の再利用率を示しており、(1)国内再利用量(161億缶)、(2)韓国などに輸出されたUBC重量に組成率(87・9%)を積算した数量(48億6千万缶)の合算値とアルミ缶消費量を基に算出している。 21年度は消費量が33万596トン(前年比582トン減)にとどまった一方で、国内再生利用重量が24万5262トン(1万9709トン増)、UBC輸出重量が7万3953トン(組成率考慮後、1万1637トン減)となり、合計では8千トンほど増えたためリサイクル率がアップした。UBC輸出量の減少は、韓国の再生利用工場でのスト発生や割高な日本製UBCを回避する動きも出て韓国向けが1万8300トン減少したことが要因とされる。 なお国内で再生されたUBCのうち、アルミ缶材に再生した比率を表す「CAN TO CAN率」は4・0ポイント低下の67・0%だった。また消費されたアルミ缶が缶材に再利用された割合は、1・3ポイント上昇の49・7%だった。「CAN TO CAN率」は低下したものの、缶材への利用料は増加した。