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【千葉魂】よみがえる石崎の“石直球” 大先輩・藤川の教え胸に

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千葉日報オンライン

 昨年のシーズン中盤にタイガースから移籍した石崎剛投手のスマートフォンには、今でも藤川球児投手からのメッセージが残っている。トレードでの移籍が決まった時、真っ先に尊敬し慕う先輩投手に連絡を入れた。チームを離れる旨を伝えると喜んでくれたのが驚きであり、印象的だった。  「トレードを言われた時はチームを離れる寂しさもありましたし、結果を残すことなく去ることになって、ふがいない気持ちもありました。でも球児さんに連絡をすると喜んでくれた。チャンスだよと。求められて行くチームで投げさせてもらって結果を出せと送り出してくれたのです」  だからすぐに気持ちを切り替えて前を向けた。昨シーズンこそマリーンズ移籍後も2試合の登板にとどまったが、今年は春季キャンプから猛アピール。井口資仁監督が楽しみな投手の一人として真っ先に名前を挙げるなど首脳陣の評価は上昇している。       □      ■      □  タイガース時代の2018年5月。淡路島で行われたジャイアンツとのファーム交流戦で登板した際に「パチッと肘が変な音がした。嫌な感じだった」と右肘を痛めた。肘はあっという間に腫れ上がり、症状は軽くないことを察した。6月に右肘を手術。その後、懸命なリハビリを経て復帰したが「ボールを投げる感覚がなかなか戻らなかった。何をやっても駄目だった」と振り返るように悩み深き日々が続いた。  感覚がよみがえったのはマリーンズ移籍後。シーズン中もファームで必死の投げ込みを敢行する中で、取り戻した。「下半身の使い方ですけど、うまくボールに伝わり始めた。下半身で弓を引っ張るような感覚です」と石崎は笑顔を見せる。  感覚が確信に変わったのは今年に入ってから。石垣島での春季キャンプでアピールするとその後の練習試合、オープン戦でも結果を出し続け、今シーズンはセットアッパー候補に名前を連ねている。  「藤川さんも気にして連絡をくれる。自分に関する情報とかも見てくれている。ありがたいです」。今はチームメートではないが、憧れの先輩の温かいまなざしは変わらない。       □      ■      □  2人の絆はブルペンで深まった。出番を待って待機をしているときに教えてもらった。肩のつくり方、気持ちをどのように上げていくか。試合を見ているとアドバイスをされた。「ただボーッと試合を見るな。相手の状態、癖、配球、流れ。いろいろと考えろ」。懇々と論された。虎のレジェンドは若者に惜しみなく助言をくれた。その時間が宝物となっている。  「人として野球人として考え方に感動した。技術よりもクローザーを務める人のメンタル、思考を教えてもらいました」  2年前からは1月の沖縄での自主トレにも参加させてもらい、いろいろな会話からヒントを見つけた。何事においても準備の大事さを改めてかみ締めた。キャッチボールでは1球目からしっかり投げる必要性を説かれた。今まで投げるまでのルーティンも多かったが「いらない」と指摘され、そぎ落とした。  「マウンドに行ったら、もう投げるだけ。やるだけ。それまでに考えて準備をするようにしています」  すでに交流戦の中止が決まり今季、古巣相手によみがえった150キロを超える力強いストレートを目の前で見せることはできなくなった。しかし、それでも憧れの大先輩は何かの形で見てくれている。石崎がしっかりとブルペンで準備を整えマウンドに上がる姿。そして“石直球”と呼ばれる剛速球で打者をねじ伏せていく生きざまを。 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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