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『100日後に死ぬワニ』の帯文が波紋…「描き下ろし漫画28P」はどこに?「優良誤認表示」との指摘も

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弁護士ドットコム

漫画家のきくちゆうきさんがツイッターで連載し、話題となった4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」。4月8日には、ワニの100日間の人生を一冊にまとめた本『100日後に死ぬワニ』(小学館)が出版されましたが、ネットでは帯に書かれた文言に疑問の声が上がっています。 【写真】ラピュタそっくりの島「見ろ、海岸がゴミだらけだ…」 指摘されているのは、帯に書かれた「100日後の後日譚等 描き下ろし漫画28P収録!」という文言。しかし、実際には漫画は28ページもないというのです。 ●描き下ろしの4コマ漫画が6つあるが… 弁護士ドットコムニュースでも書籍を手に入れて、確認してみました。 本は見開きの0日目から始まり、ツイッターで連載された1日~100日の人生の合間に、計18枚の挿絵があります。100日目のあとは、写真風のカットが並んだ見開きのページ、「100日後に死ぬワニ」の題字を縁取った挿絵、描き下ろしの4コマ漫画が6つあり、最後に挿絵が1枚ありました。 結局、描き下ろしの4コマ漫画は計6ページで、計20枚の挿絵を加えたとしても、合計28Pにはならず、他にどこの部分が描き下ろし漫画とされているか分かりませんでした。 Amazonレビューでも「書き下ろしと銘打った部分も、かさましレベルだったので残念」、「描き下ろしが28Pもなかったのも残念でした」、「大半がイラスト1枚程度のものなのでこれを書き下ろし漫画として売り込む点にも少し違和感が…」などと批判的な声が相次いでいます。 100日が近づくにつれ、日に日に注目度が高まった「100日後に死ぬワニ」。ファンはワニのいない世界がどうなったのか楽しみにしていただけに、ガッカリ度も大きかったのかもしれません。 この場合、実際よりも商品を良く見せて誤解させる「優良誤認」に当たるのでしょうか。消費者問題に詳しい金田万作弁護士に聞きました。 ●金田弁護士「優良誤認表示に当たる可能性が高い」 ーー『100日後に死ぬワニ』の帯は、法的にはどう考えられますか 結論から言うと、『100日後に死ぬワニ』は実際のものよりも著しく優良であると示す表示として「優良誤認表示」に当たる可能性が高いと考えます。これからその理由を説明していきます。 まず、優良誤認とは何か。これは「景表法」(不当景品類及び不当表示防止法)に、以下のように規定があります。 「商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」(景表法5条1号)で、不当な表示として禁止されています。 ――オーバーな宣伝文句も対象になりますか 宣伝文句などでは「ある程度の誇張」は一般的にされ、一般消費者もある程度は誇張されているということを認識しています。 そのため、社会一般に許容される誇張の程度を超えて、一般消費者による商品の選択に影響を与える場合に、特定の商品の内容について、実際のものよりも著しく優良であると示す表示として「優良誤認表示」に当たります。 判断にあたっては、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識が基準となります。 ●「一般消費者による商品の選択に影響を与えている」 ――「100日後に死ぬワニ」では、帯に「100日後の後日譚等 描き下ろし漫画28P収録!」という宣伝文句がありました 実際には「漫画」と言えるのは4コマ漫画6ページだけだとすれば、「描き下ろし漫画28P収録!」の表示は、社会一般に許容される誇張の程度を超えていますが、0日目や写真風のカットが並んだ見開きのページや挿絵計20枚もあり、これらが「漫画」だとすれば、そこまでの誇張はないということになります。 ただ、見開きのページはともかく、ページの4分の1を満たない程度の挿絵を、「漫画」とするのは私は違和感があります。 「漫画」には、コマ割りのあるものだけでなく絵も含まれます。しかし、ツイッターで話題になった「100日後に死ぬワニ」は4コマ漫画であり、その本の帯に「漫画」と書かれていれば、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識としては、帯の「描き下ろし漫画」は4コマか少なくともコマ割りのある漫画を表示しているというのが自然ではないかと考えます。 「ワニが死ぬまでの100日間」は作者のツイッターで公開されています。そのため一般消費者としては、書籍で100日間を見たいということだけでなく、100日後の後日談を含めた描き下ろし漫画が28ページ収録されていることも期待して本を購入することになるので、一般消費者による商品の選択に影響を与えていると考えられます。 したがって、実際のものよりも著しく優良であると示す表示として「優良誤認表示」に当たる可能性が高いと考えます。 ――本の宣伝文句が優良誤認として認められたケースはありますか 漫画雑誌の懸賞企画の当選者数に関する不当表示なら例があるのですが、消費者庁の公表や裁判例でも見当たりません。 一般的に、本の宣伝文句は感想や推薦文などが多く、誇張表現があっても問題となりませんが、今回はページ数という数字が使われていたので、問題にしやすいです。 ●小学館の回答は 小学館に問い合わせしたところ、編集部の担当者から「新型コロナウイルス感染対策として、原則全社在宅勤務となっております関係上、正式なお答えができません」と回答があった。 【取材協力弁護士】 金田 万作(かなだ・まんさく)弁護士 第二東京弁護士会消費者問題対策委員会(電子情報部会・金融部会)に所属。複数の消費者問題に関する弁護団・研究会に参加。ベネッセの情報漏えい事件では自ら原告となり訴訟提起するとともに弁護団も結成している。 事務所名:笠井・金田法律事務所 事務所URL:http://kasai-law.com

弁護士ドットコムニュース編集部

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