上町駅は、個人経営カフェがひしめく「休日を満喫できる街」だった。世田谷ボロ市は12月15~16日開催
「世田谷ボロ市」は毎年1月15~16日と12月15~16日の年2回開催される、世田谷区きっての人気イベント。会場となるボロ市通りの最寄駅は2つあり、うち1つの上町駅は通りの西側へアクセスしやすい位置にあります。 【写真を見る】上町駅にある都内屈指のカフェ街 上町駅は、毎年ボロ市へ向かう際に利用するけど、それ以外の用事で行くことはほとんどない……という人も多いかもしれません。しかし、実は上町駅周辺は、ボロ市以外にも注目スポットがたくさん! 個人経営のゆったりくつろげるカフェがあちこちに点在しているほか、大きな史跡や博物館もあるなど、ちょっとした休日のお散歩にはうってつけの場所なのです。
◆上町駅の基本情報:家賃相場はいくら?
上町駅の家賃相場は駅徒歩10分以内、築年数10年以内でワンルームが約8.8万円、1LDKで約14.2万円、2LDKは約18.4万円となっています(SUUMO、2024年12月2日確認)。世田谷線内で渋谷側の三軒茶屋駅や西太子堂駅周辺と比べれば1万円前後安く、逆側の下高井戸駅周辺よりは数千円お高めと、線内では中間くらいの相場です。 上町駅の開業は1925年。「上町」という名前は、かつて世田谷区内にあった「世田谷城」の城下町で、この近辺が上宿(上町)と呼ばれていたことに由来するそうです。
◆「ボロ市」会場となる通りは、代官屋敷&博物館も見どころ
上町駅はホームこそ路面電車らしい簡素な造りですが、駅舎の方はシャープな四角型でなかなかに立派。上り線と下り線でホームがやや離れているので、「目的駅を乗り過ごしてしまったので戻りたい!」という場合に、上町駅でUターンしようとすると少し大変かもしれません。 上町駅の駅前南側は「上町銀座会」という、ちょっとした商店街になっています。 上町駅と世田谷通りを挟んで反対側にあるのは、安い青果類の品ぞろえで有名なスーパー「オオゼキ」。ほかの街にあるオオゼキと比べても店舗規模はかなり大きく、食品類のバラエティーが非常に豊か! 日用品や消耗品もある程度取り扱っているので、上町で暮らすとなるとここを頻繁に使うことになりそうです。 このほか駅周辺には「ココカラファイン」や「どらっぐ ぱぱす」などのドラッグストア以外に量販店はなく、主に世田谷通り沿いに個人商店や飲食店が並んでいます。 駅から南方向に少し進めば「ボロ市通り」の西端です。ここは世田谷通りより道幅も狭く、住宅と交互に年季の入った商店が並んでおり、雰囲気が何とものんびりしています。ここが「ボロ市」開催時には周辺からも人々が訪れて満員御礼になるので、驚きです。 ボロ市通りの中心にあるのは「世田谷代官屋敷」の表門。ここは江戸時代中期に彦根藩世田谷領20カ村の代官を世襲した大場家の屋敷で、それゆえ「大場代官屋敷」とも呼ばれています。現在大名領の代官屋敷としては都内唯一だそうです。 敷地内は往時の繁栄ぶりを感じさせる立派な「主屋」を中心に、これもまた立派に整えられた和風庭園がぐるりと囲む構造。時代劇などでもおなじみ(最近は時代劇ドラマも減りましたが……)の「お代官様」のお宅訪問を散歩ついでに訪問できるなんて貴重ですね! 敷地内には世田谷区の歴史や文化についての収蔵資料を展示する「世田谷区立郷土資料館」も併設。開館したのは、昭和の東京五輪開催年と同じ1964年で、都内で初めての公立地域博物館だったそうです。入り口前にそそり立つ大きなクスノキが何とも見事!