ロス五輪世代は来年“ダブルチーム”体制へ…船越監督がU-20W杯を目指し、大岩監督はU23アジア杯予選を見据えた育成に注力
2028年ロサンゼルスオリンピックを目指すチームは、来年から活動を開始していく。来年2月のU20アジアカップに出場するU-20日本代表は、引き続き船越優蔵監督が指揮。一方で、6月以降からは大岩剛監督が26年U23アジア杯出場を見据えた活動をスタートさせる。9月にはU-20ワールドカップとU23アジア杯予選が行われる予定だが、“ダブルチーム”体制で進めていくようだ。 【写真】「可愛すぎ」「佐々木大樹のモノマネ?」乃木坂46五百城茉央さんがオフショット公開 大岩監督が再び五輪を目指す。8大会連続となるパリ五輪出場を果たし、オーバーエイジや海外組の一部を欠くなかでグループリーグ全勝。準々決勝でスペインに屈したが、日本サッカー協会はその手腕を再び求めた。山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「条件が非常に難しい五輪で、これ以上の経験値があって、さらに先を目指せる監督はいない」と評価。23歳以下の年齢制限が導入された92年バルセロナ五輪以降、史上初の続投が決定した。 山本NDは、五輪までの監督業を「育成と勝利という難しい仕事」と表現。メダル獲得という“勝利”と、A代表につなげる“育成”を両立させなければいけない難しさがあると説く。「“ラージ100”というA代表の下の100人のグループが強固ですばらしいものであれば」(山本ND)。五輪出場を目指す過程で分厚い層にすべく、大岩監督は「パリ五輪のときは87人の選手を招集したが、それを100人110人120人にしていく作業が重要。国際試合をやりながら選手の成長を促していきたい」と強調した。 ロス五輪世代の活動は来年からより活発になる。来年2月に中国でU20アジア杯が開催され、ベスト4に入れば9月下旬からチリで行われるU-20W杯出場が決定。一方、9月上旬には26年U23アジア杯に向けた予選も始まる。同大会の成績は、ロス五輪アジア最終予選を兼ねる次回のU23アジア杯のポット分けにも影響。最終予選を優位に進めるためにも、確実に予選を突破して本大会で好成績を残さなければいけない。 来年9月を見据え、当面は“ダブルチーム”体制となりそうだ。船越監督のもとでU-20日本代表は2月のU20アジア杯を戦い、9月のU-20W杯出場を目指す。大岩監督は6月から7月にかけて活動を始め、9月のU23アジア杯予選を視野に育成を行っていく。 「呼べる選手は最優先でU-20(日本代表)に招集して、U-20W杯を目指す。一方で、すでに海外でプレーする選手が本当に増えている。U-20W杯優先で呼べる選手以外のヨーロッパでプレーしている選手たちや、ロス五輪世代の選手たちをどうやって鍛えていくか。ラージ100のなかで分厚い層をどう鍛えていくか。大岩監督は9月までのところで、残りの海外で活躍している選手も含めてチームを結成して育成をやってもらう考え方になる」(山本ND) その橋渡しとして重要な役割を担うのが、大岩監督とともにパリ五輪を戦い、今回再びアシスタントコーチとして入閣した羽田憲司氏だ。羽田コーチはU-20W杯まではU-20日本代表に帯同するという。山本NDは「船越監督のチームからW杯に向けてコーチを一人増やしたいと夏から共有していた。パリ五輪の経験がある羽田コーチが入っていけばさらに引き上げられる」と理由を語る。羽田コーチがパリ五輪の経験を船越監督体制につなぎ、さらにそのチームのエッセンスを大岩監督体制に引き継ぐ“バトン”の役割になる。 大岩監督も羽田コーチに期待を寄せる。「今回、船越監督も含めてコミュニケーションを取るなかで、羽田コーチに入ってほしいという要望と五輪を目指すチームとしての要望が一致した。この段階でチームに入ることができるようになったので、ぜひ選手たちの刺激になればいいし、われわれが選手を把握するうえでも情報交換ができればいい」。3年半後のロス五輪出場、そして日本代表の底上げへ。“ダブルチーム”体制を羽田コーチというバトンで結び、育成と勝利の両立を実現させるつもりだ。