【週刊・稲盛和夫語録】7月4日の金言「労働の価値と意味」
疫病の蔓延や世界情勢の悪化……不安定な世の中において、私たちはどのように生きていくべきしょうか。京セラ株式会社をはじめ、KDDI、JALと3つの世界的企業を率いた稀代の名経営者・稲盛和夫氏は、数々の著作や講演で多くの人に勇気を与え、背中を押してきました。今回は、そんな稲盛氏がすべてのビジネスマンにおくった「366の箴言」より、7月4日~7月10日の言葉を紹介します。
4日…労働の価値と意味
働くということは人間にとって、もっと深遠かつ崇高で、大きな価値と意味を持った行為です。 労働には、単に生きる糧を得るという目的だけではなく、欲望に打ち勝ち、心を磨き、人間性をつくっていくという副次的な機能があるのです。
5日…行い、思いは必ず結果をつくる
われわれが行っていること、思っていることが、何年先か何十年先かは分からないが、やがて必ず「結果」をつくっていく。そのときにあわてふためいて悲しんでももはや遅い。このことを心にとめて、日々善きことを行うようにしていきたい。
6日…美しい思いやりのこころを抱く
こころが呼ばないものは、決して周囲に現象として現れない。 こころの中に自分だけよければいいという利己的な気持ちを抱けば、その抱いたような事や物が周囲に現れるし、逆に美しい思いやりに満ちたこころ、利他のこころを抱けば、やはり周囲にそういうものが現れてくる。
7日…人生の縦軸と横軸
運命は、人生を貫いていく縦軸として存在する。もう一つ、横軸に因果応報の法則が存在する。因果応報の法則とは、善因は善果を生み、悪因は悪果を生むということだ。 この二つの法則──運命と因果応報──によって、われわれの人生はできあがっている。
8日…運命は宿命にあらず
大事なことは、因果応報の法則のほうが運命よりも若干強いということです。私たちは、持って生まれた運命さえも、善きことを思い、善きことを行うことによって、善き方向に変えることができる。 人間は運命に支配される一方で、自らの善思善行によって、運命を変えていける存在でもあるのです。
9日…尺取り虫
人生の歩みの中には、楽をしてひとっ飛びできるようなジェット機などはありません。自分の足で、自分で歩いていくしかないのです。夢を実現するための手っ取り早い手段や近道があると思うなど、とんでもないことです。一歩一歩を尺取り虫のように進んでいく、これが偉大なことへチャレンジする姿勢です。
10日…垂直登攀(すいちょくとうはん)
自分に妥協を許し、安易な道を選べば、その瞬間は楽でも、夢や高い目標を実現することができずに、必ず後悔することになります。 人生や仕事におけるどんな困難な山も、安易に妥協することなく、垂直に登り続けていくことが大切です。 強い意志を持って、一歩一歩地道な努力を日々継続する人は、いくら遠い道のりであろうとも、いつか必ず人生の頂上に立つことができるに違いありません。 稲盛 和夫 京セラ株式会社 名誉会長
稲盛 和夫