フランス人の生活は意外と質素? 会社員の約半数が月収33万円以下
フランスで月収62万円以上稼げば「裕福」に
■フランスで月収62万円以上稼げば「裕福」に 不平等観測所が2022年に公開した報告書によると、手取りの月収が国民平均の2倍あれば裕福だと見なされ、その額は3880ユーロ(約62万300円)と算出された。この金額を稼ぐフランス人は全体の10%に過ぎない。 同観測所は給与計算ツールを公開しており、自分の月収を入力すると、他の人たちとの比較で自分がどの位置にいるのかが分かる。このツールは最新の2022年のINSEEの統計に基づいており、これまでに300万回以上使用されている。 ■「豊かさ」を測るには収入以外の指標も フランスで行われた豊かさに関する先行研究では、収入以外の指標も取り上げられた。例えば、居住環境が60平方メートル以上あれば良い生活だと見なされる。そのほか、高級車や家事代行サービス、休暇の旅行などにかける経済的余裕だ。 この先行研究では労働の状態も考慮されており、雇用の安定が確保され、自ら労働時間を調整することができれば、その人は「豊か」だとされる。同様に、「富が富を呼ぶ」事例として、十分な教育を受けることができ、友人や親戚など幅広い人脈があれば社会的な安定が得られるとされた。 ■お金がもたらす幸せには限界が 不平等観測所が実施した別の調査では、生活するのに十分なお金があることは明らかに助けになるものの、お金があればあるほど幸せになるわけではないことが示された。自己申告による幸福度は、フランスの下位5%の最貧困層に当たる月収800ユーロ(約12万7900円)が最も低く、月収2100ユーロ(約33万5800円)までは収入に比例して上昇することが分かった。ところがそれを超えると、収入が高いほど幸福だと感じる傾向はみられなくなり、最も高収入である上位1%の層、つまり月収6500ユーロ(約103万9000円)以上を得ている人々でも、より大きな幸せを感じているとは回答しなかった。いくら大金を積んでも、幸せを買うことはできないようだ。
Alex Ledsom