中国の低軌道衛星会社、ブラジルに海外初進出 スターリンクと競合
Eduardo Baptista 「リオデジャネイロ 20日 ロイター」 - 中国の低軌道衛星会社スペースセイルは20日、初の海外事業としてブラジル市場に参入すると発表した。国営通信会社テレブラスと組み、中南米で衛星通信とブロードバンドインターネットサービスを提供する。 中国の習近平国家主席がリオデジャネイロで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議の後、ブラジルのルラ大統領と会談し、契約に合意した。 低軌道衛星は、地表から300─2000キロメートルの高度を周回し、高軌道衛星よりも安く効率的な通信が可能。 国営の新華社によると、中国は現在1059基の衛星を軌道上に保有しており、そのうち492機は商用衛星だという。 一方、スペースセイルと競合するイーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXの低軌道衛星通信「スターリンク」は、6000基以上の衛星を持ち、一般のほか企業や政府機関向けにサービスを提供している。ブラジル軍も顧客だという。 中国人民解放軍はこれまで、ウクライナ戦争におけるスターリンクの役割について研究しており、米国と武力衝突した場合にスターリンクがもたらすリスクを警告している。