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昭和の電車にあった「窓戸錠」とは? 複数人で窓を開ける光景も

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マネーポストWEB

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、電車内の換気強化が叫ばれている。昔は通勤時でも電車の窓はよく開けられていたものだが、これまではほとんど開けられることはなかったため、コロナ禍で初めて電車の窓が開くのを目にした人も多いだろう。ここでは、普段は気に留めることのなかった「電車の窓」について、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんが改めて解説する。

 * * *  JR山手線の電車には、幅126cmの開閉可能な窓が備えられている。1両当たりの窓の数は、運転室付きの車両では4枚、運転室のない車両では6枚だ。窓の上にある取っ手を手で下げると窓を開けられ、最大で45cmまで降ろせる。「窓バランサー」と言って、バネなどで窓の重さを支える部品が装着されているおかげで、少しの力で窓を開け閉めでき、好きな位置で止めることが可能だ。利用客への配慮に加え、車両の清掃時の手間を考慮して、自動で開閉可能なパワーウィンドウが備えられている車両もある。

 だが、昔の電車の窓は今と比べて全く違う作りをしていた。昭和期に通勤電車を利用したことのある人なら、2枚のガラスが上下に取り付けられている「二段式」の窓に見覚えがあるだろう。今でも路線バスなどでは採用されているが、大都市の通勤電車では見られなくなった。

 この二段式の窓が実に不便だった。上下段の窓ガラスをそれぞれ上下に動かして開けるタイプのものや、上段だけ開けられる作りのものがよく見られたが、多くの二段式窓は、「窓戸錠」という窓ガラスの左右に取り付けられた三角形状の金具のレバーが取り付けられており、これが非常に複雑なのだ。

 窓を開けるには、このレバーを下げてロックを解除し、固定する時は窓がはめ込まれた溝に開いた穴の位置までレバーを動かさなければならない。また、窓ガラスが途中で引っかかって動かなくなるのを防ぐため、左右の窓戸錠を一度に持ち、窓が傾かないように慎重に上げ下げする必要もあった。筆者も何度か手伝ったことがあるが、力の弱いお年寄りや女性、子どもが操作すると大抵引っかかってしまい、何人かの乗客で手助けして窓を動かすという光景は珍しくなかった。

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