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伊藤沙莉、芝居の説得力とユーモア 『いいね!光源氏くん』で光る名演技

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マイナビニュース

NHK「よるドラ」枠で放送中のドラマ『いいね!光源氏くん』(総合 毎週土曜23:30~)がきょう23日に最終回を迎える。笑えて癒やされると好評を得てきたが、その一翼を担っているのが、いまや映画やドラマに引っ張りだこの女優・伊藤沙莉。まばゆい輝きを放つ平安貴族・光源氏と中将を支えるごく普通のOL役・藤原沙織を演じている伊藤の魅力はどこにあるのか――製作統括の管原浩氏に話を聞いた。 【写真】伊藤沙莉、黒ずくめで“カラス女”役 ■沙織という役は難易度が高い 本作は、女性コミック誌『FEEL YOUNG』に連載中のえすとえむ氏の同名コミックを実写ドラマ化。『源氏物語』の登場人物である平安貴族・光源氏(千葉雄大)が、なぜが現代に次元ジャンプし、地味で自分に自信が持てない、こじらせOL・沙織と出会う。伊藤は、平安貴族とまったく違う価値観に戸惑いながらもなんとか順応していく光を、鋭い突っ込みを入れながらも温かく見守る沙織を好演している。 管原氏は沙織という役について「今回の物語のなかで、華があるのは千葉雄大さんが演じる光源氏と、桐山漣さん扮する中将なんです。そのなかでのヒロインというのは、浮世離れした光や中将の芝居をしっかり受け止めて、現在の視聴者に嘘っぽくならずに伝えなくてはいけない」と難易度の高さに言及する。 そんな沙織の候補に挙がったのが伊藤だ。伊藤と言えば、9歳のときドラマ『14ヶ月~妻が子供に還っていく~』(2003年)で子役デビュー以来、『女王の教室』(2005年)、『演歌の女王』(2007年)など個性的な役を演じると、その後も、映画やドラマに多数出演し、キャリアを積んでいる実力派女優。NHK作品でも、声優に挑戦したアニメ『映像研には手を出すな!』(2020年)、『これは経費で落ちません!』(2019年)、ちょいドラ2019『ダークマターな女』(2019年)、連続テレビ小説『ひよっこ』(2017年)など出演が続いている。 ■芝居のうまさはもちろん、存在感がある! 管原氏も『これは経費で落ちません!』(2019年)などで伊藤を起用しているが「役柄的に地味なOLという部分もありますが、それでいて光や中将にしっかりと突っ込みを入れなくてはいけない。芝居のうまさはもちろんですが、プラスして存在感が必要。伊藤さんの名前がポンと浮かび上がりました」とスタッフからもイチ推しだったようだ。 続けて管原氏は「光と中将の芝居をちゃんと受けられるという意味でも、彼女の演技にはユーモアがある。芸歴も長く、技術的なうまさには定評がありましたが、ここに来て一気に知名度も上がってきているので『ここぞ』というところで出演していただきたかった」と沙織という役は伊藤しかいないという制作陣の思いが強かった。 ■膨大なセリフ量も現場で対応 管原氏の言葉通り、劇中の沙織は間髪入れず光や中将に絶妙な突っ込みを入れている。第四絵巻では、桐山漣演じる中将がSNSを開設し、フォローしている女性が美女ばかりなことに対して沙織は「美女ばっかりフォローして」とジャブを打つと、中将は「とりどりに美しい花に優劣などつけられようか」と返す。その言葉に「SMAPか!」と言うシーンの沙織にSNSは沸いた。 「あれは原作にあったセリフなんですけれどね」と管原氏は笑うと「今回、伊藤さんはモノローグを含め非常にセリフの量が多かったんです」と撮影を振り返る。実際、撮影期間も短く、本読みのときには分量に戸惑いを見せていたというが「現場に入ると千葉さんとのやり取りのなかで、ペースや間を把握し、しっかりと対応していました。あるときは、第一絵巻と最終絵巻(最終回)を同日に撮影したこともあったのですが、ちゃんと気持ちを切り替えていました。さすがです」と伊藤の現場での対応力に脱帽したという。 伊藤がしっかり受け止めるからこそ、ファンタジックな作品でもリアリティが担保される。光と中将がいい意味で“好き勝手”遊べるのも、伊藤が効いているからなのではないだろうか。「光の現実離れした愛くるしさに、スバズバ突っ込む沙織が面白いのですが、不思議に二人を観ていると和んで癒やされるというご意見をいただいています」。 煌びやかでどこかファンタジックな光と中将の自由な演技と、それをしっかりキャッチする沙織。千葉、桐山、伊藤という最高の組み合わせがこの物語を味わい深いものにしていることは間違いないだろう。 (C)NHK

磯部正和

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