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リーマン・ブラザーズの崩壊から10年――主役たちの今

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The Guardian

【記者:Sean Farrell】  10年前の9月15日、米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)が破綻した。史上最大の企業倒産は、世界の金融システムを崩壊寸前にまで引き寄せ、米英両政府にパニックを引き起こした。米政府は金融機関に7000億ドル(約78兆4000億円)の公的資金を投入。一方、英国では英銀行大手ロイズ(Lloyds Bank)が住宅金融最大手HBOSを支援したが、その後、政府がロイズと英銀行大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)を支援せざるを得なくなった。  あれから10年。リーマン危機で重要な役割を果たした人たちは、今何をしているのだろうか。 <リーマンのツートップ> ■リチャード・ファルド(Richard Fuld) 当時:リーマン・ブラザーズの最高経営責任者(CEO) 現在:富裕層向け資産運用会社マトリックス・プライベート・キャピタル(Matrix Private Capital)のCEO  ファルド氏は破綻までの14年間、リーマンのCEOを務め、最後の8年間で約5億ドル(約560億円)の報酬を得ていた。「ゴリラ」のあだ名をつけられたファルド氏は、いくつかのミスを認めつつも、リーマンの破綻は政府、金融当局、事実無根のうわさのせいだと繰り返し主張。一方で、リーマンの従業員は「ゴリラ」のせいだとしている他、米議会での厳しい質問の最中に、ある議員がファルド氏のことを「悪党」と呼ぶ一幕もあった。  ファルド氏は2009年、マンハッタンのマンションを2500万ドル(約28億円)、美術品のコレクションを1350万ドル(約15億円)で売却したが、それでもまだ米国内にいくつかの高級不動産を所有している。現在72歳のファルド氏は、ニューヨークを拠点とするマトリックス・プライベート・キャピタルのCEOとして復活。同社は、ロサンゼルスやフロリダ州パームビーチ(Palm Beach)という「富裕層の多い主要地域」に進出した。珍しく公の場に姿を現した2015年、「何であれ、楽しめ。後悔はなしだ」と語った。 ■エリン・カラン(Erin Callan) 当時:リーマンの最高財務責任者(CFO)から失脚 現在:引退  元弁護士のカラン氏は、米金融街ウォールストリート(Wall Street)で華々しいキャリアを築いていた。1995年にリーマンに入社、2007年末にCFOとなった。カラン氏の非常に前向きなスタイルは、投資家を納得させるのにしばらくの間は役立ったが、リーマンが破綻する2か月前、解任された。基本的な会計資格さえもないカラン氏は、大手投資銀行金融部門の責任者としての十分な能力が備わっていなかったと、リーマン破綻後、多くの人から批判された。破綻に関わる訴訟の記録には、「数多くの危険信号」を無視し、バランスシートを調整する500億ドル(約5兆6000億円)相当の取引を行うなど、誤解を招く恐れがある手法を使ったと、非難されている。  カラン氏はスイス金融大手クレディ・スイスで短期間働いた後、休職し、そのまま復職しなかった。