リリース目前のWindows 10、知っておくべき情報を総まとめ
多くのユーザーが経験する“初めてのアップデート”、混乱なく進むか
以上、これまでWindows 10で知っておくべきポイントについてまとめてきましたが、中でも最も注目したいのが、多くのユーザーが使用しているパソコンにオンラインで届けられる初めてのWindowsになるということではないでしょうか。 これまで、Windowsはパソコンメーカーがプリインストールして拡販することで普及が拡大し、多くのユーザーはパソコンを買い替えることで新しいWindowsを手に入れてきました。一方で、こうした拡大手法がパソコン需要の低下などもありユーザーの分散を招き、新しいWindowsのライバルは“過去のWindows”だと言われてきた背景でもあります。今回マイクロソフトは初めてWindowsが既存ユーザーに無償提供するという方針転換に踏み切ったのは、過去のバージョンに分散しているWindowsユーザーをWindows 10に集約し、今後の成長戦略の土台作りをしたいというマイクロソフトの思惑もあるのではないかと考えられます。 しかしこうした方針転換は、無償で最新の環境を手に入れられるという良い面がある一方で、多くのユーザーに“使っているパソコンのOSをアップデートする”という初めての経験を生み出すことになります。iOSやAndroidなどソフトウェアの提供方法をアプリマーケットに集約しているプラットフォームと異なり、様々なメーカーが独自にソフトウェアや周辺機器を提供しているWindowsプラットフォームでは、ただOSを新しくすれば良いと言えるほど簡単にはいかない面もあり、予備知識なくアップデートに踏み切ると“データが消えた”、“ソフトが使えなくなった”、“周辺機器が動かなくなった”といった予想外の出来事も想定されます。7月29日以降、混乱なくアップデートが進むか、特にリテラシーの低いユーザーがWindows 10へのアップデートをスムーズに進められるかどうかは注視する必要があり、メーカーはユーザーサポートの体制を十分整える必要があると言えるでしょう。 (執筆:井口裕右:オフィス ライトフォーワン)