朗希争奪戦にイチロー氏が出馬? 交渉解禁で早くも20球団以上が接触 日本勢“場外バトル”も
大リーグのウインターミーティング2日目の10日(日本時間11日)、ロッテからポスティングシステムでメジャー挑戦する佐々木朗希投手(23)の代理人であるジョエル・ウルフ氏(54)が、早くも20球団以上が接触してきたと明かした。マリナーズの地元紙がレジェンドのイチロー氏(51=会長付特別補佐兼インストラクター)の交渉への出馬を示唆するなど、日本勢の“場外バトル”が展開される可能性が出てきた。 大手代理人事務所「ワッサーマン」で辣腕(らつわん)を振るう男も、思わず目を丸くした。「これほど集まるとは…」。ウルフ氏の前には約100人の日米メディアがずらり。ウインターミーティング(WM)2日目の予定が記されるホワイトボードに「午前11時30分からジョエル・ウルフ(佐々木の代理人)」と会見予定が告知されたのも異例で、「ROKI」の注目度の高さをうかがわせた。 この日の午前8時に交渉が解禁し、敏腕代理人が沈黙を破った。既に米本土に到着している佐々木について「米国に来ることができてホッとしている。全ての球団から連絡が来るのを楽しみにしている」と気持ちを代弁。マイナー契約しか結べず獲得資金が抑制される「25歳ルール」で、全30球団の参戦も予想される大争奪戦。「30球団ではないが、既に20球団以上が接触している」とも明かした。 移籍先の最有力候補がドジャースで対抗がパドレスとの見方が根強い中、この日は数年前から佐々木を調査してきたというマリナーズのジェリー・ディポト編成本部長の発言が注目を浴びた。佐々木争奪戦を「最優先事項」とし「球団内で準備できている」などと発言。さらに地元紙シアトル・タイムズは「日本の象徴、レジェンドで米野球殿堂入り候補のイチロー・スズキも“勧誘計画”に含むと予想される」と報じ、イチロー氏の交渉同席の可能性まで示した。 前日にパ軍のマイク・シルト監督も球団アドバイザーの野茂英雄氏の存在の大きさやダルビッシュが交渉に同席する見通しを語っていた。ウルフ氏は「昨日、ダルビッシュと話した。会話は明かせない」と顧客で佐々木と親交が深い右腕とコンタクトを取ったことを明言。さらに千賀の所属するメッツのデービッド・スターンズ編成本部長も「我々も間違いなく(佐々木の獲得に)全力を尽くす」と鼻息荒く語るなど、レジェンドOBを含む日本勢による“場外バトル”が勃発しそうな雰囲気だ。 昨オフは山本とド軍の交渉に一足先に入団が決まった大谷、フリーマン、デーブ・ロバーツ監督らが同席して獲得につなげた。ダルビッシュ、千賀、山本、佐々木は全てウルフ氏の顧客だ。交渉期間は東部時間の来年1月23日午後5時(同24日午前7時)までで、16日(同17日)にも面談がスタートする。大争奪戦が、幕を開けた。(杉浦大介通信員) ≪1・16以降決着≫米国に滞在中の佐々木は、今後はウルフ代理人とミーティングを重ね、クリスマス前に帰国。年末年始の1、2週間は日本滞在後、再渡米する。25歳未満の海外選手との契約は12月15日(日本時間16日)で一度締め切られ、再開する来年1月15日(同16日)以降の決着が見込まれる。